『シン・ゴジラ』が社会現象を巻き起こし、『ゴジラ-1.0』はアカデミー賞視覚効果賞を受賞するなど、『ゴジラ』シリーズは令和になっても高い人気を誇るコンテンツだ。そんな本シリーズの見どころのひとつと言えば、重厚な演技を見せてくれる豪華なキャスト陣だろう。
『ゴジラ』シリーズは人気女優の登竜門という側面もあり、今では大女優になったそうそうたる顔ぶれが出演している。今回は、歴代の『ゴジラ』シリーズに出演していた大女優たちを振り返っていこう。
■沢口靖子は新人時代にヒロイン役を熱演!
沢口靖子さんは第1回東宝シンデレラでグランプリを獲得した後、『ゴジラ』シリーズへの出演を果たしている。これ以降、東宝シンデレラ出身の若手女優が、東映の看板作品『ゴジラ』シリーズへ出演することは定番となった。
彼女が出演したのは『平成ゴジラ(平成VS)』シリーズの一作目である1984年の『ゴジラ』である。
本作では、まだういういしさの残る沢口さんのデビュー1年目の姿を見ることができる。演技経験も少ない状態でゴジラシリーズのヒロインに抜擢されているが、沢口さんは女子大生役を好演。作中では行方不明になっていた兄の生存を知り感情を爆発させる姿や、信頼を寄せた男性に裏切られる姿など、新人女優でありながら幅広い表情を見せていることにも注目してほしい。
■前田美波里はゴジラがきっかけで実父と再会!
1967年公開の『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』には、舞台女優として長いキャリアを誇る前田美波里さんが出演している。
本作はゴジラの子どもであるミニラが登場することでも知られており、ゴジラの父親としての姿も見ることができる。前田さんはヒロイン・サエコ役を務め、たった一人で洞窟で暮らす少女を熱演。エキゾチックな顔立ちとセクシーな服装が印象的なヒロインだった。
前田さんに関しては、本作と関連して面白いエピソードがある。前田さんはこの出演がきっかけで、実父との再会を果たしているのだ。実は彼女はアメリカ人の父と日本人の母の元に生まれたが、生後間もなくして父が帰国し、それ以来面識がなかったと語っている。それが『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』に出演し、映画を見た父親が自分の娘だと気づいたことで、数十年ぶりの再会が実現したという。『ゴジラ』シリーズが海外でも人気の高い作品だからこそ生まれた興味深いエピソードだ。