『機動戦士ガンダム』今なお議論呼ぶ4つのミステリーに迫る…「フラウの生足」「ギャンの盾」「ジオングのコクピット」「ジオンのモノアイ」の画像
『機動戦士ガンダム』DVD-BOX1(バンダイビジュアル)
全ての写真を見る

 1979年に放送開始したテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。その後は1985年に続編『機動戦士Zガンダム』、1986年に『機動戦士ガンダムZZ』が放送され、現在までシリーズは続く。そんな中で“ファーストガンダム”を改めて見返すと、その緻密なまでの人物描写や演出に圧倒される一方で、やや不思議な設定や描写に気づくこともある。

 そこで今回は、今から45年前に放送された『機動戦士ガンダム』について、ファンの間でも話題に上がることが多い「不思議な」設定や描写を4つピックアップした。どのような仕掛けがあったのか、じっくり振り返ってみたい。

■フラウの制服だけ生足なのはなぜ?

『機動戦士ガンダム』に登場するホワイトベースのクルーには女性もおり、いずれもピンクを基調とした制服を着用している。しかし、主人公アムロ・レイのガールフレンドであるフラウ・ボゥのみ、ほかの女性と少し違う制服を着用しており、たびたび議論を巻き起こしてきた。

 ピンクを基調とした制服なのは変わらずではあるものの、首にはスカーフを巻いており、タイツの着用もない。彼女には、アムロ同様に避難民として戦艦ホワイトベースに乗り込んだ経緯があり、のちに軍属として階級を得ているものの、ホワイトベースでは雑用として働いていた。彼女のラフな着こなしは、軍人ではないという意思表示なのかもしれない。

 第19話では、フラウがジオン兵に捕まる場面があるが、その際も「こいつの着ているのは連邦軍の制服です」と説明する兵に対し、士官のランバ・ラルが「そうかな、ちょっと違うぞ」と返すセリフがある。軍人ではないという意思表示が、相手にも伝わっているとも言えるだろう。

 なお、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「練習生の制服なの」というセリフがある。そのため、そもそも正式な軍属ではないという説が正しいのかもしれない。

■ギャンの盾に仕込まれたミサイルは危険?

 ジオン軍のマ・クベ大佐が搭乗するモビルスーツ「ギャン」は、メインの武装がビーム・サーベルのみという潔い機体だ。だが、実はギャンが持つシールドにはミサイルが仕込まれている。子どもの頃には何やらかっこいい武装に見えるミサイル付きの盾だが、大人になってから「そんなシールドで攻撃を防御すると誘爆するのでは?」と感じるのは、至極当然のことだ。

 ただ、ギャンが(ほぼ)マ・クベ専用のモビルスーツである点を考えると、あながち滅茶苦茶とは言いがたい。なぜなら、マ・クベはそもそも策を用いる性格であり、ギャンの運用も自分なりの方法を導き出していた可能性があるからだ。

 アムロとの戦いでは遠距離からのけん制でミサイルを使用し、うまくコントロールすることで得意の白兵戦に持ち込んだ。つまり、白兵戦になる前にミサイルを撃ち尽くしている可能性がある。実際、シールドが損傷したときに爆発は起こっていない。

 余計な武装を装備せず、身軽な状態で白兵戦に挑むコンセプトと仮定すると、これほど理にかなった装備はないといえる。

  1. 1
  2. 2