■歴代『鬼滅の刃』主題歌の「花」
アニメ『鬼滅の刃』の主題歌にはさまざまな「花」が登場し、随所で四季を感じさせる。
『無限列車編』では線路の上を歩く煉獄の背中を追う炭治郎らの周りに彼岸花の花びらが舞い、引きの映像では周りに彼岸花が咲き乱れていることがわかる。その後の煉獄のアップでも彼岸花が描かれているが、これには彼岸花の花言葉である「情熱」「悲しき思い出」を想起させずにはいられない。
亡くなった人をしのぶ花だからこそ、煉獄の周りに鮮やかに咲き誇っていたのだろうと考えると胸が苦しくなるが、煉獄や、ここまでの戦いで散っていった鬼殺隊士たちをイメージさせる花であることは間違いないだろう。
となると気になるのが、『竈門炭治郎 立志編』と『柱稽古編』での彼岸花の対比だ。『立志編』エンディング冒頭では赤い彼岸花が描かれ、『柱稽古編』エンディング冒頭では青い彼岸花が描かれているが、青い彼岸花は画面上部にぶら下がるように描かれている。この「逆さ向き」であることにも何かしらの意味が込められているのかもしれない。
無惨は青い彼岸花を探しており、作品における青い彼岸花の持つ意味は明かされたが、なぜここで青い彼岸花が上下逆に描かれたのかは謎が残る。
このほかにも『鬼滅の刃』の主題歌には様々な花が描かれており、何が咲いているかでおおよその四季や時の流れがわかるのが楽しい。
細かなシーンの作りこみに定評のある『鬼滅の刃』制作陣だからこそ、少しのシーンにも深い考察をせずにいられない。まだまだ我々の気づかないネタが仕込まれていそうだ。