自身の高校時代、モテていたのはどんな男子だったか覚えているだろうか。少なくとも筆者の記憶にある限り、常に“モテ”の中心にいたのは運動部で活躍しているタイプだった。それこそ、『SLAM DUNK』(井上雄彦氏)で各校の主力選手として登場した、才能豊かで華のあるキャラたちのような。
たしかに彼らは文句なしにカッコいい。しかし大人になるにつれ、女性が男性に求めるものは目に見えるカッコよさだけではなくなってくる。そこで、長い目で見たとき、将来本当にモテそうな『スラダン』キャラは誰なのかを考えてみたい。
■情に厚く共感性も抜群…湘北高校3年・堀田徳男
堀田徳男といえば、「炎の男 三っちゃん」という横断幕で三井寿を応援する姿が印象的だ。彼らはもともと不良仲間で、バスケ部襲撃事件の共犯者でもある。しかし最終的には堀田が事件の首謀者を買って出て、桜木軍団とともにすべての罪をかぶった。
それ以来、不良グループを抜けてバスケ部に復帰した三井を堀田は責めるでもなく、応援団長として常に観客席から支え続けてきた。仲間想いで情に厚い、典型的な“いいヤツ”なのだ。
じゃあ単に“いいヤツ”がモテるのかというとそうでもなく、彼の場合は共感性の高さも女性に好印象を与える材料ではないかと思う。たとえば三井の過去やバスケ部にこだわる姿から「本当は…バスケ部に戻りたいんじゃ…」と気持ちを汲み取ったり、彼のこれまでの心情を察して再びバスケ部で活躍する姿に涙したり……というところだ。
些細なことでも気持ちを汲み取って共感してもらえるのは、多くの女性にとって嬉しいもの。とくに堀田は、いかにも無骨で不器用そうなイメージがあるので、そのギャップがより好感度につながりそうだ。
■強く優しく聡明…湘北高校1年・水戸洋平
主人公・桜木花道の良き理解者であり、読者からの人気も高い水戸。表向きは桜木をからかいつつも、彼がバスケに熱中する姿を心底嬉しそうに見守る様子からは、その温かく優しい人柄が伝わってくる。
加えて、常に冷静沈着なのも水戸の特性だ。喧嘩はめっぽう強いが衝動的に争うことはなく、むしろ頭に血が上りやすい周りの面々の制止役に回ることが多い。存在感がありながら決して出張ることもない。堀田が“いいヤツ”なら、水戸は“いいオトコ”といった印象だ。
“元ヤン”というと敬遠する女性も多いだろうが、それはすぐ頭に血が上って手が出るとか、自己顕示欲が強く自分勝手といった一部のイメージから来るものだろう。水戸にはそんな要素は見当たらない。大人になって“不良”や“問題児”という枠組みがなくなり、ダイレクトに人間性を見る機会が増えれば、相当モテるのではないか。
とはいえ、高校生の時点でも、水戸にこっそり憧れている女子は少なからずいるような気もするが。