■背中で語った煉獄杏寿郎
最後は鬼殺隊隊士の死を紹介していこう。鬼殺隊隊士のほとんどが名前も分からずに死んでしまうパターンが多いが、それは鬼との実力差がありすぎる結果でもある。
しかし、鬼殺隊で飛び抜けた強さを持つ柱も例外ではない。上弦の鬼との戦いになると柱でも苦戦の連続だ。その結果として命を落とす者もいるのだが、やはり煉獄杏寿郎の死は衝撃的だった。
煉獄はいち早く炭治郎たちと共闘をし、鬼殺隊としての心構えや戦い方を教えてくれた。自分を見て学べ……そんな感じで、大きな背中には安心感と信頼感があった。
下弦の鬼である魘夢との戦いは、炭治郎たちの活躍もあって勝つことができたが、もし煉獄が眠らされていなかったらもっと早く倒せていたかもしれない。
そんな中現れた上弦の鬼の猗窩座との戦いは楽勝とはいかなかった。煉獄の怒涛の攻撃も超回復によって押し切られる形となる。これには、純粋な実力でいったら煉獄の方が上のはずなのに……と、炭治郎のように歯がゆい気持ちになってしまった。
煉獄は猗窩座との相打ちを狙い、動きを止めたまま日の出を待とうとした。しかし猗窩座は自身の両腕を切り落として逃亡。煉獄はそのまま力尽きてしまう……。
別次元の強さで、みんなの希望にも見えた煉獄が死んでしまったことは、ショックでしかない。それに、死に際に母親の姿を見ながら子どものような笑顔を浮かべるシーンは泣けてしまう。
圧倒的な実力を持つ柱の死というところでも、煉獄の最期は印象に残るものになった。社会現象にもなった『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を見て涙を流した人も多かっただろう。
『鬼滅の刃』には衝撃的な死がいくつもあり、心をえぐられるエピソードばかりだ。だからこそ「なんとしても鬼舞辻無惨を倒してくれ!」という気持ちが強くなり、最終決戦が待ち遠しくなる。今後のアニメの展開からも目が離せそうにない。