2024年で画業50周年! 車田正美氏の名作『聖闘士星矢』初期ストーリーの思い出の画像
アニメ『聖闘士星矢 Blu-ray BOX』第1巻より

リングにかけろ』や『男坂』などで知られる車田正美氏は、今年画業50周年を迎えた。現在『週刊少年チャンピオン』(秋田書店)では、車田氏の代表作である『聖闘士星矢』の続編『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』が連載されている。

 もともと『聖闘士星矢』は1985年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始され、全世界での累計発行部数が5000万部を突破している超人気作品だ。以降、数多くのスピンオフ作品や続編が不定期で連載されている。

 ただし連載が長い作品とあって、現在までに登場している『聖闘士星矢』のキャラクターは実に多く、分かりにくさを感じる人もいるかもしれない。そこで今回は『聖闘士星矢』の初期ストーリーはどのような内容だったのかを、あらためて振り返ってみよう。

■初期のメイン戦士は5人! 厳しい修行を積んだ少年たち

『聖闘士星矢』スタート時の大まかなストーリーはこうだ。

 主人公は孤児院で育った日本人の少年・星矢。女神アテナを守るために聖衣(クロス)を手に入れ立派な聖闘士(セイント)になるべく、ギリシャに渡り厳しい修行に耐えた。その後、日本に帰った星矢は黄金聖衣を目指して聖闘士同士で闘う大会に参加し、自らの力を高めていく……という話だ。

 現在ではすっかり多種多様な登場人物がいる『聖闘士星矢』だが、初期の主要メンバーは5人。それぞれに守護星座があり、主人公のペガサス星矢、ドラゴン紫龍、キグナス氷河、アンドロメダ瞬、フェニックス一輝が主なメンバーだ。

 もともと5人の少年の多くは孤児院で育った仲間同士。それぞれ厳しい修行を積んで聖闘士となり、大会では敵として再会する。しかし修行により変貌してしまったフェニックス一輝の行動により、星矢は紫龍や氷河、瞬と仲間となり暗黒四天王と対峙していく。

 初期の『聖闘士星矢』は、今の少年漫画における礎を築いた作品と言っても過言ではないだろう。少年時代の厳しいスパルタ修行、変わり果てた兄を救おうとする弟、かつての敵が最強の味方となる展開など、現在の少年漫画にも共通する多くの要素を持っている。また単なるバトル漫画にとどまらず、登場人物の背景や心情を丁寧に描いている点も特長だ。

■この当時では珍しい? 魅力溢れる女性キャラが多い

『聖闘士星矢』はバトル漫画でありながら、魅力溢れる女性キャラも多く登場する。

 まずは本作のヒロイン・城戸沙織だ。彼女は戦いの女神アテナの化身であり、聖闘士たちの戦いをサポートする。ストーリーが進むにつれ美しい女神としての存在を放つが、幼少期の沙織はザ・お嬢様であり、孤児であった星矢たちには“私の馬になれ”と言い四つん這いにさせるなど、かなりワガママなキャラでもあった。

 そして星矢を立派な聖闘士に育て上げたのが、仮面をつけた謎の女聖闘士・魔鈴である。当時7歳の星矢を預かった魔鈴は星矢を岸壁に逆さ吊りにして腹筋を千回命じるなど、かなりのスパルタぶりを見せている。

 “おちて死ぬ”と泣き叫ぶ星矢に対し「死ねば……」と言い放ったセリフは有名だ。しかしいざというときには星矢のもとに駆けつけるシーンも多く、情の熱い師匠と言えるだろう。

 このほかにも『聖闘士星矢』には星矢と生き別れた姉や、幼馴染の美穂、修行中からドラゴン紫龍を支える春麗など、可愛い女性キャラクターが多く登場している。80年代のバトル漫画にしては、多くの美少女キャラが登場するのにも注目だ。

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