■アニオリ展開によりキャラの掘り下げがあった第三話

 さて、第三話では第一話に続いて、風柱の不死川実弥と蛇柱の伊黒小芭内の交流も描かれた。「無限列車編」「遊郭編」「刀鍛冶の里編」とこれまで様々な柱の活躍が描かれてきたが、この2人はまだ目立った登場シーンがなかったためだろうか。

 公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』にも2人は気が合うというような記載があったが、その交流ぶりはファンの想像以上だった。2人は第一話で迷い込んだ鬼の根城のことがまだ気になっているようで、柱稽古の時間を嵐の前の静けさのようだと予感している。また、2人はお互い勝負をすることにしたようで、何かを画策しているようだがその魂胆はまだ見えない。

 今回はサブタイトルもこれまでと比べるとややコメディチックで、ほぼアニメオリジナルの展開だった。これはまるで、アニメ放送時にまだ原作漫画が連載中だった際、原作を追い越さないようにオリジナル展開を放送するときのようだ。

『鬼滅の刃』では、“アニオリ”にありがちなキャラ崩壊や設定の矛盾もなく、どちらかというと原作の余白部分に描かれた設定や小ネタを、本編に追加する形で掘り下げたような印象。だからこそ、登場人物により深みが増しているのだ。

 毎週もっと登場キャラクターたちのことが好きになってしまう「柱稽古編」。次週は「刀鍛冶の里編」で活躍した霞柱・時透無一郎や恋柱・甘露寺蜜璃の稽古の様子が描かれそう。こちらも原作漫画ではかなり短めに描かれていたので、アニオリ展開が楽しみだ。

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