『鬼滅の刃 柱稽古編』元柱・宇髄天元の登場に歓喜!第三話「炭治郎全快!! 柱稽古大参加」は、炭治郎とモブ隊士の対比が印象的な回だったの画像
『鬼滅の刃 柱稽古編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 アニメ『鬼滅の刃 柱稽古編』第三話「炭治郎全快!! 柱稽古大参加」が5月26日に放送。6月2日夜11時15分から第四話「笑顔になれる」が放送となる。

 太陽の光を克服した禰豆子を狙う鬼舞辻󠄀無惨との戦いに備え、鬼殺隊士が柱による過酷な稽古を受け訓練するというのが主な内容となる「柱稽古編」。第三話では、稽古に参加できるまで傷が回復した炭治郎が、まずは元柱の宇髄天元の稽古に参加したことが描かれた。

 原作漫画ではたった1ページで終わってしまい、詳しい内容は描かれなかった宇髄の稽古。その体力づくりの内容や、柱として引退した後の宇髄の葛藤にも触れており、「遊郭編」以降目立った活躍はないと思われていた宇髄のパーソナルな面が見られたことで、ファンにとっても満足度の高い回となったようだ。

 柱を引退した宇髄は今も戦いから離脱した自分を責め続け、夜中にうなされているようだ。普段は明るい彼の人知れぬ葛藤が、「遊郭編」をともに生き抜いた宇髄の3人の嫁の口から炭治郎に感謝の言葉とともに語られる様子には深みがあった。

 一方で印象的だったのが、宇髄の稽古に参加する名もなき隊士たちの人間らしい一面だ。上弦の鬼という強敵に何度も対峙してきた炭治郎とは違って、彼らはどこか危機感が欠けている。

 夜の巡回警備に行けば翌朝の稽古が免除になることから、稽古をサボるために当番を変わってほしいという会話がなされたり、警備中にわざと隠れて脅かしあったり……。鬼との戦いを経験していない彼らにとっては年齢相応の行動なのだろうが、これまで炭治郎の激しい戦いを見守ってきた視聴者からすれば、その感覚の違いに違和感を持つだろう。

 また彼らは、炭治郎をどこか自分たちとは違う人間だと思っている節もある。桁外れの体力や前向きさは、とても一朝一夕で身につくものではない。

 しかし、決して名もなき隊士らがおかしいのではない。それだけ炭治郎がたくさんの苦労をして、強くならざるをえなかったのだ。このことは炭治郎の筋肉ムキムキになった肉体からもわかる。普段は隊服を着ているのであまり目立たないが、アニメの1話と比べると、その筋肉量だけでなく、身体中が大きな傷だらけで、まるで別人のようになっている。

 さて、今回アニメオリジナルで描かれた内容は他にもある。第二話での炭治郎と冨岡義勇のざるそばの早食い勝負の行方だ。

 前回、ともにざるそばの早食い勝負をすることになった2人。炭治郎の「柱になれるような人はみんな心の奥底は優しいんだ」というモノローグとともに勝負の展開が回想された。

 苦しそうにそばを食べる炭治郎の隣で、義勇は涼しい顔で黙々とそばを口に運ぶ。まだまだ余裕はありそうなのだが、義勇はあえて炭治郎に一皿多く食べさせることで炭治郎を勝たせ、柱稽古に参加することを決めた。義勇の不器用な優しさがかいま見え、2人の心の距離も少し縮まったようだ。

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