漫画やアニメのキャラにはいろんな“属性”があり、訛りもそのひとつだ。中でも関西弁は特に使われる機会が多いように思われる。
そこにさらに“糸目”という要素が加わったキャラも定番なのだが、彼らは何を考えているか分からない印象を与えがちだ。目がはっきりと見えないというのは、相手にどこか不信感を抱かせてしまうのかもしれない。
そんな関西弁で糸目のキャラは掴みどころがないからこそ、真の実力を発揮した瞬間が怖いともいえる。今回はそんな、バトル漫画で開眼したら怖そうな“関西弁の糸目キャラ”を紹介していきたい。
■『BLEACH』市丸ギン
まずは、久保帯人氏による『BLEACH』(集英社)に登場する市丸ギンからだ。ギンは、護廷十三隊三番隊の隊長を務めている。
初登場から何を考えているのかさっぱり分からないキャラで、朽木ルキアの処刑の際には「助けたろか?」と話したかとおもうと、「嘘」と話してあえてルキアの心を乱していた。どうみても性格が悪い……。
だからこそ、その後藍染惣右介が裏切った時に部下として一緒についていったのにも納得だったが、去り際に松本乱菊に「ご免な」と残した言葉が気になった。
そんなギンには終始、敵なのか味方なのかよく分からないという印象があった。しかし、藍染が崩玉の力を手に入れた時にようやく本性を見せてくれる。藍染がわずかな隙を見せた瞬間に彼目がけて神槍を突き刺したのだ。
しかもギンはそれまで、神槍の能力は刀の伸縮の速度にあると話していたのだが、実はこれは真っ赤な嘘。刃の内側に強力な毒が仕込まれており、それを相手の体内に突き刺した瞬間に残せるのだ。それによって藍染は内部から溶かされてしまうことになる……。
まさかいきなり裏切って、藍染を回復させる間もなく倒してしまうなど思いもしなかったが、この瞬間に賭けたことが分かるシーンでもある。
ギンの行動はすべて幼なじみである乱菊を守るためのもので、彼女が悲しむ世界を作らせないという決意の現れだ。しかし残念ながら藍染は崩玉の力によって復活してしまい、ギンは致命傷を食らって死亡してしまう。最後に乱菊に一目会えたのがせめてもの救いだったが、なんとも哀しいキャラクターだった。
■『怪獣8号』保科宗四郎
続いては、現在アニメで放送中の松本直也氏による『怪獣8号』(集英社)の保科宗四郎を見ていこう。彼についてはネタバレしない程度に紹介していく。
宗四郎の見た目はキノコ頭に糸目、関西弁など、なんとなく芸人っぽい要素が多い。言動ものらりくらりとしており、つかみどころがないという言葉がぴったりだ。そんなコミカルな第一印象がある宗四郎だが、日本防衛隊の第3部隊副隊長を務める実力者。自身が前線に立つのはもちろん、作戦の説明やサポート、訓練教官も担当していて、隊長である亜白ミナの右腕を務めている。
普段は隊を盛り上げるムードメーカーとして明るく振る舞う保科だが、戦闘になるとまるで別人だ。バトルスーツの力を最大限までに解放すると、尋常ではない速さで刀を振るっている……。その姿を見ると怒らせるのは止めよう、そう思ってしまうかもしれない。
そんなギャップがあるのが宗四郎の良さであり、主人公である日比野カフカにも大きな影響を与えているキャラのひとりなので、アニメでのこれからの活躍にも期待したい。