■ただの機械じゃない…『Dr.スランプ』アラレちゃん

 最後は、鳥山明さん『Dr.スランプ』から、主人公・則巻アラレの体内構造を紹介したい。

 アラレは、則巻千兵衛により作られた少女型アンドロイド。可愛い少女の“頭部”が数本のコードだけで胴体とつながっている姿は、漫画第1話「アラレ誕生!の巻」で披露されており、インパクト大の登場だった。

 ご存じアラレは桁違いのパワーを持っており、殴れば地球や月を簡単に破壊できる“手”、走行速度マッハ1.5の“足”、そして、お尻には“排ガス除去装置”が付いておりそれを外しオナラで空も飛ぶことができる。

 口のなかには“んちゃ砲”が付いており、作中何度も必殺の凝縮エネルギー弾を発射していた。こんな無敵のアラレだが、“目”は千兵衛の設計ミスにより強度の近視。しかし、このメガネ姿もチャームポイントの一つだ。

 そしてこのアラレの体内構造は、コミックス13巻、X線を搭載したスパイロボットによりスキャンされ、まったく同じ構造を持ったキャラメルマン4号ことオボッチャマンがDr.マシリトによって作られている。よってオボッチャマンはアラレと同性能、マシリト曰く上品なぶんだけオボッチャマンのほうが強いとのことだ。

 ちなみに、燃料切れで停止したオボッチャマンに“ロボビタンA”を届けようと、アラレはそれまでの最高速度マッハ1.5を超えて走る場面もあった。いつもニコニコしてフルパワーに見えるアラレだが、友達のピンチにはスペック以上の能力を発揮するようで、それもただの機械じゃないアラレ特有の魅力だと言えるだろう。

 

 今回は、漫画やアニメに登場する機械キャラの体内構造について紹介してきた。機械キャラは子どものころの自分にとっては本当にカッコよく映り、その活躍と機械の体にワクワクさせられた。大人になってあらためて確認してみると、「なぜそんなパーツが!?」と不思議に思うところも正直あったが、それも含めて機械キャラはやはりロマンの塊なのだ。

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