■カード、ストーリー、マップ…ボリュームアップした続編作品! 『ポケモンカードGB2 GR団参上!』
初期バージョンが発売されて以降、その凄まじい人気から着実に続編パックが発売され続けているポケカだが、ゲームボーイ版のほうも2001年には続編作品である『ポケモンカードGB2 GR団参上!』が、ゲームボーイカラー専用ソフトとして発売されることとなった。
本作は初代作品『ポケモンカードGB』の正式な続編となっており、前作でグランドマスターを倒し、“伝説のポケモンカード”を主人公が手にしたあとのストーリーが描かれていく。
前作以上にストーリー性が強く、主人公は突如現れた「GR団(グレートロケットだん)」から奪われたポケモンカードを取り返すため、新たな戦いに挑むこととなる。
特筆すべきはやはり前作からの大幅なボリュームアップだろう。マップはほぼ2倍になっており、対戦できるデッキも大増量している。カード自体も前作までのラインナップに加え、「ロケット団」、「拡張シート」、「イントロパック」といった拡張パックなどを加えた計441種が搭載されており、今まで以上に多彩なデッキ構成を楽しむことができる。
また、本作オリジナルの要素として、“特別ルール”を採用したバトルが挙げられる。
これはそのバトルに限り永続的なルールが適用されるというもので、「デッキに特定のカードが入っている」といった構成を限定されるものや、「特定の属性が強化・弱体」、「控えポケモンは3体までしか出せない」のようなバトル中に影響が出るものまでさまざまだ。
このため、必然的に条件に合ったいくつかのデッキを使い分ける必要があり、今まで使うことのなかったカードや構成を試す良い機会にもなった。
ポケカを扱った作品としてはまさに正統進化を果たした一作なのだが、その高い完成度と圧倒的ボリュームにもかかわらず、発売時期が遅かった影響から世の中に流通した本数はかなり少なめになってしまっている。
このため、現在ではプレミア価格で取引されることも多く、当初は3900円(税別)で発売されていたソフトが、安いもので5〜6千円。高いものだと2万円ほどの価格で売買されているという。
続編としての高い完成度から今もなお本作を求めるファンは多く、そのプレミア価格の高さに驚かされてしまう。伝説的存在となった前作を受け継いだ、実に完成度の高い名作ソフトと言えるだろう。
平成に生まれ、現在にいたるまで進化を続けている『ポケモンカードゲーム』。かつて発売されたゲームボーイ作品はしっかりとその魅力を受け継ぎ、多くのファンが楽しめる出来となっている。
新たに展開されるアプリがどのようなものになるのか、これからも“ポケカ”の新たな展開に目が離せない。