地球外からの来訪者が訪れる中、青春を謳歌する少女たちの姿を描いた映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下、デデデデ)』。この作品で、声優・内山昂輝さんは中型宇宙船墜落による栗原キホの死をきっかけに、次第にネット情報やSNSの陰謀論に影響を受け、高校卒業後は過激派グループに所属し侵略者狩りをしていく青年、小比類巻健一を演じる。
内山さんは『機動戦士ガンダムUC』のバナージ・リンクス役、『ハイキュー!!』の月島蛍役、ゲーム『キングダム ハーツ』シリーズのロクサス役などを担当している実力派声優だ。毎週毎日放送されているアニメ作品で、内山さんの声を耳にしない日はないくらい、たくさんの作品に出演している。
そんな多忙な内山さんの趣味のひとつが漫画を読むこと。『うちの妻ってどうでしょう?』の福満しげゆき氏や、『アイアムアヒーロー』の花沢健吾氏といった漫画家が好きだという。浅野いにお作品である『デデデデ』をきっかけに、内山さんの最近の漫画事情を深掘りした。【第1回/全4回】
――今回、内山さんは浅野いにおさん原作のアニメ映画『デデデデ』に参加されています。改めて原作コミックスの『デデデデ』をお読みになった感想をお聞かせください。
内山「とても複雑な物語だなと感じました。女子高生たちの平和な日常を描きつつ、そのすぐ横には世界の破滅をもたらすかもしれない危機が常に浮かんでいる。序盤は、そんななかでの日常が描かれていって、中盤にはあっと驚く展開があって……。浅野さんは執筆前にどこまで用意されていたのかなと思うくらい、本当に練られた世界観設定と物語展開だな、と。いろいろな楽しみ方ができる漫画だと感じました」
――浅野いにおさんの他の作品を読んだことはありますか。
内山「たぶん最初に読んだのは『虹ヶ原ホログラフ』(2003年/太田出版)だと思います。当時、僕は『Quick Japan』(太田出版)を読んでいて、サブカルチャー的なものを吸収したいと思っていたんですよね。それで浅野さんの作品も読んでいた記憶があります。たぶん、そのあたりがファーストコンタクトでしたね」