『グラディウス』に『ロックマン』も…重すぎて死ぬ! エグすぎる「処理落ち」に泣かされたファミコンゲームの画像
ファミコン『ロックマン3』(編集部撮影)

 最近ではレトロブームの影響で「ファミリーコンピュータ」に再び注目が集まっている。ゴールデンウィークの期間中にも実家に帰省し、懐かしのソフトに触れてみようと計画している人も多いのではないだろうか。

 さてプレイ中に「処理落ち」が起き、思うように操作ができずイライラしたことは、当時のプレイヤーなら誰しも経験していることだろう。画面に表示されるキャラクターが多い、グラフィックが膨大すぎる……。これらの理由でコンピュータの処理速度が追いつかなくなり、敵の放つ攻撃が遅くなったり、自分の操作するキャラがカクカクした動きになったりしてしまう。

 こうしたファミコン時代からよくあった「処理落ち」は、ゲーム機の進歩とともになくなるかと思いきや、最新のゲームでも発生することがある。そればかりか「処理落ち」を利用して「敵の弾を避けやすくなる」と攻略に利用するゲームもあり、最新機でのリメイクの際に「処理落ちモード」を搭載しているシューティングゲームも珍しくない。

 今回はレトロゲームブームの今、「処理落ち」でプレイヤーを困らせてきたゲームをいくつか振り返りたい。

■ザ・処理落ちゲーム『ロックマン』シリーズ

ロックマン』シリーズといえば、1987年に第1作目『ロックマン』が誕生し、その後『ロックマンX』や『ロックマンDASH』など派生作品も生まれた、カプコンによる一大ゲームシリーズだ。

 ファミコンで展開された『ロックマン』シリーズは、処理落ちがたびたび発生することで有名。敵の数の多さもさることながら、サイズが大きな敵も多く、グラフィック的にゲーム処理に大きな負荷をかけている。

 ファミコンの『ロックマン』は非常に難易度の高いゲームだが、敵の攻撃やステージに用意された罠だけでなく、時には処理落ちがプレイヤーの最大の敵となるパターンもよくあった。たとえば、処理落ちのせいでボタンを押すタイミングがズレてしまい、ジャンプミスして落下死……なんてことも少なくない。

 また、『ロックマン』の「イエローデビル」にサンダービームを撃つ。あるいは『ロックマン3』の「ハードマンステージ」に登場するハチのような姿をした「ハブスビィ」が、小さなハチを5体出現させる……などなど、処理落ちポイントをあげると枚挙にいとまがない。 

 しかし、処理落ちこそが『ロックマン』の魅力と感じるファンも多く、過去作を収録した『ロックマン クラシックス コレクション』では、処理落ちがないバージョンと処理落ちがあるバージョンの両方を楽しめる機能が搭載されている。子どもの頃に『ロックマン』を遊んだ人には、やはり“処理落ち”に翻弄された当時の感覚も含めての思い出があるのではないだろうか。

■処理落ちはシューティングゲームの宿命?『沙羅曼蛇』『グラディウス』

 シューティングゲームと処理落ちは、切っても切れない関係にある。シューティングゲームでは多くの敵が次々と現れ、敵からの弾が画面を覆いつくすほど表示されるため、コンピューターの処理が追いつかなくなってしまうのだ。

 1985年にアーケードで稼働開始し、1986年にファミコンに移植されたコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)の『グラディウス』も、処理落ちに悩まされた作品だ。特に、ステージ5に現れる触手の敵のところでは、処理落ちが発生し、とんでもなくスローな動きになってしまう。

 1986年にアーケードでリリースされ、翌年の1987年にファミコンに移植されたコナミの名作シューティング『沙羅曼蛇』もそうだ。本作の魅力は、何と言ってもその美しいグラフィックだ。ファミコンの限られた性能の中で、これほどまでに美しい表現が可能だったのかと驚かされた。特に、プロミネンスが燃え上がるシーンは、圧倒的な迫力でプレイヤーを魅了した。しかし、グラフィックの限界に挑んだ作品ゆえに、処理落ちが多々発生し、プレイヤーを悩ませた。

 同じくコナミのファミコン用シューティングでは、1990年にアーケードで稼働し、同年に移植された『パロディウスだ!』も、画面に大量に登場する豪華けんらんな敵たちによって処理落ちが頻繁に発生したタイトルだった。

 シューティングゲームにおける処理落ちは、普段はイライラさせるものだが、前述したようにスローになることで敵の攻撃をかわしやすくなるというメリットもある。そしてこれらは、アーケード版のクオリティを家庭用ハードで再現しようとしたメーカーの努力のあらわれでもあるだろう。

■多勢に無勢、ゆえに処理落ち『戦場の狼』『魂斗羅』

 1985年にカプコンからアーケードでリリースされ、翌年の1986年にファミコンに移植されたトップビュー型のアクションシューティングゲーム『戦場の狼』も処理落ちに悩まされたゲームだ。プレイヤーは主人公「スーパージョー」を操作し、敵軍に突っ込んでいくというゲーム内容。無数の敵と戦うというゲームのため、処理落ちが起こりやすいという特徴がある。

 1987年にリリースされ、翌年にファミコンに移植されたコナミのアクションゲーム『魂斗羅』も同様である。縦や横に進むスクロールステージと、奥に進む3Dステージが特徴であり、四方八方から押し寄せる数多の敵と戦うゲーム。こちらも、敵の多さ、弾幕の多さゆえに、処理落ちが発生しやすかった。

 ファミコンのゲームには処理落ちという厄介な問題が存在したが、それでもプレイヤーは楽しんで遊んできた。それもまた、ゲームの魅力の一つでもあったのはいうまでもない。