■膨大なキャラクターはダジャレとパロディ満載の名前で判別!…『ハイスクール!奇面組』
少し世代が遡り、80年代にも『ジャンプ』の名作アニメは多数生まれたが、ギャグ作品でいえば1985年から約2年間にわたって放送されたアニメ『ハイスクール!奇面組』のファンだったという人は多いだろう。
同アニメは新沢基栄さんによる1980年から連載された『3年奇面組』と1982年から連載された『ハイスクール!奇面組』を原作としたアニメ。個性の強い顔を持つ「奇面組」リーダー・一堂零が、さまざまな名物集団と対決するコメディ作品だ。
本作の特徴のひとつが、キャラクター名がそれぞれのチームに関連した“ダジャレ”であることで、たとえば体育会系の「腕組(うでぐみ)」のリーダー・雲童塊(うんどう・かい)は「運動会」のダジャレ。ところが、「色男組(いろおとこぐみ)」の頼金鳥雄(たのきん・とりお)は「たのきんトリオ」のダジャレで、「婦組(ふくみ)」の子役締ひろ(こやくしまる・ひろ)と、松茂問代(まつも・といよ)はそれぞれ当時人気だった薬師丸ひろ子さんと松本伊代さんのダジャレだが、アニメでもそのまま使われていたというから驚きだ。
非常にキャラクターが多いが、それぞれの性格付けやエピソード、プロフィールも決められているため、感情移入のできる“推しキャラ”が生まれやすく、なんなら集団ごとの“箱推し”も楽しめる。
また、アニメ主題歌・挿入歌には、当時のアイドルグループ『おニャン子クラブ』の派生グループ『うしろゆびさされ組』などを起用。多くの楽曲がヒットして、コラボの成功例となったアニメ作品でもある。現代アレンジするのに、まさにピッタリな作品であるとも言えるだろう。
とはいえ、約40年前の作品で、当時のパロディなどは今の子どもにはわからない可能性が高いため、再アニメ化する際には“令和バージョン”にも期待したい。
今回紹介した3作品以外にも、「男の娘」という概念がなかった時代に人気となった江口寿史さんの漫画『ストップ!!ひばりくん!』、現在の“戦う変身美少女チーム”より十年以上も前に「ウイングガールズ」が登場していた、桂正和さんの変身ヒーロー漫画『ウイングマン』(アニメ版は『夢戦士ウイングマン』)など、現在の流行を先がけしていた作品は多い。
こうした色褪せない作品たちが持つ魅力を、再アニメ化でまた楽しみたいものだ。