4月12日より上映が開始された劇場版『名探偵コナン100万ドルの五稜星』。公開3日間で観客動員数は227万人、興行収入は33億円と出足も好調で、非常に盛り上がりを見せている。
劇場版シリーズ27作目となる本作は、北海道・函館の五稜郭を舞台にコナンはもちろん、人気キャラの怪盗キッド(以下キッド)も登場し大活躍する。
“月下の奇術師”の異名を持つキッドは、あざやかに獲物を盗み出す怪盗としての能力だけではなく、実はIQ400と頭脳明晰だ。コナン(工藤新一)と同等か、それ以上の推理力を持ち合わせており、作中でもたびたび探偵顔負けの推理を披露している。
そこで今回は、これまでにキッドが見せた名推理の数々を紹介していこう。
■誰よりも早く裏切り者に気づき名画を救った! 劇場版『名探偵コナン 業火の向日葵』
2015年公開の劇場版『名探偵コナン 業火の向日葵』では、ゴッホの名画『ひまわり』をめぐって数々のミステリーが展開された。
鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉はゴッホの「ひまわり」を7つすべて集め、「日本に憧れたひまわり展」を開催することを宣言し、この名画たちを守るため、“7人のサムライ”を招集した。
宝石専門であるキッドが「ひまわり」にかかわった理由は、執事兼助手・寺井の“ある女性に芦屋の「ひまわり」を見せてあげたい”という願いを叶えるためであった。
キッドは持ち前の推理力で、その“7人のサムライ”のなかに「ひまわり」を破壊しようとする“裏切り者=ユダ”がいることに誰よりも早く気づく。そして終始「ひまわり」を守るために立ち振る舞うのだ。
毛利探偵事務所に予告状を送って警戒を促したり、物語終盤からは工藤新一になりすまして「日本に憧れたひまわり展」が開かれるレイクロック美術館に潜入、キッドカードを使いコナンに裏切り者の存在を知らせたりもしている。
クライマックスでは、本作の犯人により美術館で大火災が発生するのだが、彼はその犯行さえも予想しており、コナンと蘭の助けを借りつつ、鋭い推理力と機転を利かせ最後まで「ひまわり」を守ってみせた。
キッドとコナンの共闘も見どころの本作。探偵と怪盗という決して相容れない2人が、同じ目的のために助け合う姿にワクワクしてしまう。
■最強コンビで事件を解決! 劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』
複数の殺人事件に大規模なテロが発生するド派手なアクションサスペンスが話題となった、2019年公開の劇場版『名探偵コナン 紺青の拳』。本作でも、キッドとコナンがコンビを組んで見事な推理を見せている。
国際的な空手トーナメントがおこなわれるシンガポールのマリーナベイ・サンズで、キッドは空手トーナメントのチャンピオンベルトに付いたブルーサファイア“紺青の拳(こんじょうのフィスト)”を狙う。
途中、殺人の容疑者にさせられたり、敵により最強の空手家・京極真をぶつけられたり、さらには、現地警察の発砲により深手を負うなどピンチの場面も多かった。
しかし「中身を言い当ててくれよ名探偵 殺人という名の謎めいた拳の中身をな」と、相変わらずのキザなセリフからコナンとキッドが協力し事件を謎といていく展開は、ファンにはたまらないものがあった。
クライマックスでは、コナンとともに本作で起こった殺人事件のトリックを見事に暴き出し、タンカーを使ったテロをも予期する。意外な黒幕の正体を掴み、新たな殺害をも未遂に終わらせていた。
ちなみに本作では、終始新一に変装をして蘭に寄り添うキッドの姿にコナンが嫉妬をするシーンも。園子と京極の恋愛模様も描かれており、見どころ満載の一作であった。