■突如登場した999号のウエイトレス「クレア&メタルメナ」 

 銀河鉄道999号には、車掌のほかにウエイトレスが2人存在していたのをご存じだろうか。それがストーリー序盤「透明の女 ガラスのクレア」(第1巻)と、後半の「震動駅(12巻)」に登場する「機械人S・Fメタルメナ」である。

 序盤に登場するクレアは、全身がクリスタルガラスでできた美しく優しいウェイトレスだ。999号が異次元空間のような場所を通る際、クレアは幻覚を見てしまった鉄郎を全身で助け、最後はガラスの破片となってしまう。

 一方、後半に出てくるメタルナは食事をする車掌と鉄郎に対し、「うるさいっ!!」と一喝。驚いた鉄郎がモチをのどに詰まらせ危うく死にかけると「死ねばいいのよ、そんなガキ」なんて言う恐ろしい女性だ。

 鉄郎がメタルメナと一緒にホテルに泊まった際には、メタルメナのいびきがうるさすぎて鉄郎が眠れないシーンもある。メタルメナ機械人間でありながらも豪快で、人間らしい一面を持っている。

 メタルメナは登場当時、敵か味方か分からないような存在だった。しかし鉄郎がピンチに陥ったときには、メーテルの代わりにさりげなく鉄郎を助けている。そんなメタルメナは今後も999号で大いに活躍してくれそうだったが、登場シーンはたったの2話だけ。

 クレアもメタルメナも999号のウエイトレスという重要な役割を担いながら、あっという間に活躍シーンが終わってしまうのは少々残念だ。ただし序盤に登場した鉄郎を助けたクレアのガラス破片は、物語終盤に大きな役割を担って再登場することとなる。

 

『銀河鉄道999』では、鉄郎たちが惑星に到着するたびに多くの登場人物が出てくる。その人物たちと出会うたび、鉄郎の成長はもちろん、メーテルの心情や車掌の考え方の変化が見られるのにも注目だ。

『銀河鉄道999』に登場する人物は、今回紹介したエピソード以外にも、読者の心を揺さぶる不思議な面々を持っている。自分にとってもっとも印象に残る人物は誰なのか、今一度作品を読み直してほしい。

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