■物語が繋がるスピンオフ映画のスピンオフスペシャルドラマ
『踊るレジェンド』である2つのスピンオフ映画からは、さらに3本のスピンオフドラマが誕生した。2005年に放送されたのは、映画『交渉人 真下正義』の2か月前を描いたドラマ『逃亡者 木島丈一郎』だ。時系列がややこしいが、スピンオフ映画の前日譚ということになる。
主人公は、捜査一課特殊犯捜査一係係長・木島丈一郎だ。ある日、立てこもり事件から人質の子どもを解放した木島は、別の刺殺事件を追っていた稲垣管理官(段田安則さん)から「子どもを連行しろ」という指示を受ける。だが、怯える子どもを見た木島は指示に疑念を持ち、解放した子どもと逃亡を図りながら事件の真相を追っていく。
刑事ドラマとしても見応えがあるが、気性の荒い木島が子どもと次第に親しくなっていくハートフルな展開に注目だ。そして本作の展開が、『交渉人 真下正義』に繋がっていくという仕組みが取られている。
さらに、2007年には6分のミニドラマ『警護官 内田晋三』が制作された。これは『トリビアの泉 今夜復活踊る大へぇへぇ祭り!!』での企画モノ。『トリビアの泉』の司会者である高橋克実さんが演じた室井慎次の部下・内田晋三警部が主人公で、地下鉄ジャック事件の裏側で起きた小さな事件を描いている。
翌2006年には、映画『容疑者 室井慎次』のスピンオフドラマ『弁護士 灰島秀樹』が放送された。同作は弁護士の物語なので、『踊る』のキャストはほぼ登場しない。時系列的には、室井の事件が解決した後の話である。
灰島は、「真実は金にならない」がモットーという敏腕弁護士。そんな彼の元に、国を相手取った土地問題の依頼が舞い込む。金のために裏工作を重ねていく灰島だが、次第に土地を守ろうとする地元住民に理解を示し、人間性に目覚めていくのだった。
このほかにも多数のスピンオフがあり、改めて『踊る』シリーズの多さには驚いてしまう。ミニドラマを含めほとんどの作品がDVD化されているので、チェックしてみてはいかがだろうか。