■さまざまな要素を“プラス”した人気シリーズの一作『毛糸のカービィ プラス』
レトロゲームだけでなく、3DSはさまざまなハードで発売されたタイトルの“移植作品”も数多く登場しているのだが、なかでも2019年に任天堂より発売された『毛糸のカービィ プラス』は、近年になってじわじわと値上がりが続いている一作だ。
本作はもともと、Wii版として発売されていたものを3DSへと移植した作品。だが、その際にWii版にはなかった数々の要素を追加している。
それぞれのステージに新たなギミックが追加されていることではなく、本作でカービィが駆使することとなる「さいほう能力」にも新たな種類が登場しており、より多彩なアクションを楽しむことができるのだ。
また、より高難易度なステージに挑戦することができる「デビルモード」や、デデデ大王、メタナイトといったおなじみのキャラクターを操ることができる「サブゲーム」など、タイトルにもあるように、さまざまな要素が“プラス”された一作となっている。
毛糸をテーマとした不思議な世界観に加え、手軽かつ痛快なアクション性とクオリティの高いBGM、そして豊富な追加要素によって人気を博した本作だが、当時は4980円(税抜)とかなりお求めやすい価格でリリースされた。
しかしこちらの作品も今では価格が高騰しており、1万円を超えることはざら。たとえ中古作品だったとしても、状態の良いものでは2万~3万台といった価格帯で取引されているというのだから、驚かされてしまう。
実は任天堂作品はそもそも再販されないことが多いため、こういった背景もあって月日が経てば経つほどに値段が上がってきているのだろう。その高いプレミア価格で、人気タイトルとしての力強さを存分に見せつける一作だ。
数々の名作が生まれたのみならず、立体視の採用など新たな試みも目を引いた「ニンテンドー3DS」。全シリーズ本体の製造・修理の中止が発表されたことが、ソフト価格の高騰に影響している部分もあるだろう。当時の開発者や発売元も、それぞれの作品がこのような形で高騰するとは夢にも思わなかったかもしれない。