『たけしの挑戦状』『さんまの名探偵』、ではタモリは…?「ゲームになったお笑い芸人」たちの画像
画像はファミコン用ソフト『さんまの名探偵』(編集部撮影)

 最新機ではあまり見なくなったが、ファミコンやスーパーファミコンの時代、そして第5世代と呼ばれるプレイステーションセガサターンの時代には、様々なお笑い芸人のゲームが発売されてきた。
 理不尽なゲームバランスで有名なビートたけしさん監修の『たけしの挑戦状』(タイトー)、明石家さんまさんを操る完成度の高いアドベンチャーゲーム『さんまの名探偵』(ナムコ、現バンダイナムコエンターテインメント)はその代表格。実は、お笑いBIG3最後の一角、タモリさんの冠ゲームも存在していたことをご存じだろうか。

 それを紹介する前に、今回は名作から珍作まで、ゲームになったお笑い芸人たちを振り返っていこう。

■松村邦洋『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!』

 ビートたけしさんのものまねなどでブレイクし、過激なチャレンジで大ブームとなった伝説のバラエティ番組『進め!電波少年』(日本テレビ系)のMCも務めたお笑い芸人・松村邦洋さん。

 そんな松村さんがゲームになったのが、1994年にショウエイシステムから発売されたスーパーファミコン用対戦格闘ゲーム『松村邦洋伝 最強の歴史をぬりかえろ!』だ。

 このゲームにはストーリーモードである「松村の挑戦」と、対戦モードである「マツムラ・ファイター」がある。ストーリーモードは、太田プロのマネージャーから「おまえを地上最強の男にしたゲームを作ってもらえ」という指令を受けた松村さんが、ゲーム会社に行くまでに様々な人からケンカを吹っかけられるという内容。ゲームを作ってもらう物語がゲーム化されるという、メタ要素が強めなストーリーである。

 行く先々でバトルを挑まれることとなり、戦いに勝つことで相手の履歴書が松村仕様に書き換えられ、一戦ごとに「最強の男」へと近づいていく。

 操作方法は、パンチとキックと回り込みを駆使するもので、特徴的なのはガードボタンがないこと。その代わりに回復ドリンクを飲む「ピロピロ」と、一瞬だけ無敵になる「バウバウ」が用意されており、それが敵まで使える。一瞬のタイミングを読んで回避するしか防御手段がないという、ピーキーなバランスのゲームである。

 松村さんだけでなく、プレイアブルキャラクターは、ラジオ番組『松村邦洋のオールナイトニッポン』のリスナーとゲーム雑誌『ファミコン通信』(現『ファミ通』)により公募された読者の顔を、実写取り込みしたものとなっている。ポップなドット絵と実写の組み合わせは、なかなかに奇妙。ゲームシステムも、ストーリーも、グラフィックも、全てにおいて尖ったユニークな怪作だろう。

■ナインティナイン『ナイナイの迷探偵』

 1999年にはナムコより、ナインティナインを探偵にしたプレイステーション用アドベンチャーゲーム『ナイナイの迷探偵』が発売されている。

 タイトルからもわかるように、『ナイナイの迷探偵』は、いわば『さんまの名探偵』の続編的作品として発売されたもの。しかし、システム的には別物で、ストーリーの繋がりもないが、BGMなど随所に『さんまの名探偵』要素が盛り込まれている。

『さんまの名探偵』が本格アドベンチャーゲームだった一方、『ナイナイの迷探偵』のゲーム内容は「世界初ツッコミゲー」であり、ギャグやミニゲーム満載の、バラエティ色強めなものとなっている。

 また、ナインティナインだけでなく、坂田利夫さんに極楽とんぼココリコなど、当時の主力吉本芸人が多数出演。吉本のオールスターゲームという側面もあった。

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