■原作再現度もバッチリ!ドラマでも見せた反町鬼塚の型破り行動
『GTO』という作品は、鬼塚によるぶっ飛んだ“生徒指導”が見どころだ。実写でどこまで再現できるかが鍵を握るが、反町版鬼塚は原作の型破りな行動の再現度が高かった。
たとえば1話の冒頭。シンナーで退学させられた生徒が内山田教頭に復讐にきた際に、“恩を売って採用してもらおう”と考えた鬼塚は生徒の前に立ちふさがり教頭を守ろうとした。
しかし、教頭の「生きてたら人に迷惑をかけるんだこんなクズは」という言葉を聞いた鬼塚は、無言で教頭に回し蹴りを食らわせる。そして「てめえらみたいな先公がいるからこいつらみたいなガキの居場所がなくなるんだよ」と言ってのけたのだった。
さらに、その後も水樹ナナコとの関わりで破天荒な行動を取る。両親の関係が悪く、家に居場所が無い水樹は、鬼塚に「パパとママの部屋には触ると冷たい壁がある」と打ち明けた。それを聞いた鬼塚はハンマーを持って水樹の家に押し入り、家族を隔てていた壁をぶち壊す。
「どうだナナコ。ここから先はお前次第だ」という鬼塚に、スッキリした笑顔を見せた水樹が印象的だった。家族を再び結びつける感動的な展開ではあるが、冷静に振り返れば、訴訟問題にもなりかねない危うさもあった。
第3話では、吉川へのいじめをやめさせるためにとんでもない行動に出ていた。吉川と彼をいじめていた相沢たちを高層ビルの屋上に連れて行った鬼塚は、吉川を逆さまの状態で宙ぶらりんにし「やるなら徹底的にやれ、殺すんだろ?」と相沢たちを煽る。
焦った相沢たちが止めに入ると「やっぱ弱い奴いじめてもつまんねえだろ。喧嘩は強い奴を負かすからおもしれえんだよ」と言い、今度は相沢を宙ぶらりんにして「どうだいじめられた気分は」と言い放つ。いじめられる側の立場を体験させるという画期的な方法だったが、これも今思えば危険度は極めて高い。
「平成ならOKでも、令和ではコンプラ的に無理」という行動は多いが、鬼塚の起こす行動は時代に関係なくほぼアウトだろう。しかし、目の前にいる人物と真正面から向き合い、正義を貫いた行動を取るからこそ人の心を動かせるのだ。
4月1日放送の『GTOリバイバル』はそんな『GTO』の続編となっていて、鬼塚が私立相徳学院高校に赴任するところから始まる。高校では、“裁ノカ笑”という暴露系インフルエンサーによる暴露配信のせいで被害者が続出。鬼塚は、“SNS問題"や “家族との確執”といった令和ならではの問題と向き合っていくという。令和に鬼塚がどんな活躍を見せてくれるか、楽しみだ。