2024年3月29日にいよいよプロ野球が開幕。キャンプにオープン戦と、開幕のこの日まで、ごひいき球団の情報を逐一追っていたという野球ファンも多いだろう。
特定の球団を応援している人なら、同じ球団を好きな同士ですぐに打ち解けてしまうもの。ましてや著名な漫画家がファンを公言し、しかもイラストまで提供してくれるとあれば、つい他球団のファンに自慢したくなってしまうはずだ。
今回は、そんな大物漫画家たちがどの球団を応援しているのか、そのごひいきぶりを紹介したい。
■大大大の虎党…『うる星やつら』高橋留美子さん
まずは、2023年の日本シリーズを制した阪神タイガース。今年は1938年以来の2度目の「連覇」にも期待がかかるところだ。そんな阪神の大ファンで知られるのが高橋留美子さん。1978年に『勝手なやつら』でデビューすると、独特のキャラクターデザインやユーモアあふれるストーリーの『うる星やつら』が大ヒット。その他にも、『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』『境界のRINNE』など、大ヒット作を次々生み出してきた漫画家だ。
そんな高橋さんは、50年前から熱狂的な阪神タイガースファン。10代の頃、地元の新潟で偶然阪神戦を観戦し、田淵幸一さんの魅力に惹かれ、その後阪神ファンとしての道を歩んできたという。2001年頃からはCS放送に加入し、全ての阪神戦を視聴できる環境を整えるという熱狂ぶり。シーズン中はナイター中継を見て試合が終わると仕事をするという生活サイクルなのだとか。
そして、阪神タイガースが日本一になった2023年には、阪神タイガース日本一の記念誌『阪神タイガース優勝記念本』に漫画を寄稿。表紙にはタイガースのユニフォームを着た『うる星やつら』のヒロイン・ラムちゃんの描き下ろしイラストも掲載された。ちなみに同誌には、『みどりのマキバオー』のつの丸さんや『ドロヘドロ』の林田球さんなども寄稿している。
■公式とコラボしまくるヤクルトファン…『タッチ』あだち充さん
野球漫画の作者がどの球団を推しているのかは特に気になるところだが、あだち充さんは大の東京ヤクルトスワローズファンとして知られている。
あだちさんの野球漫画は、その緻密なストーリー展開とキャラクター造形と野球の試合描写のリアリティで多くの読者を魅了してきた。中でも、1981年から『週刊少年サンデー』で連載された青春高校野球漫画の金字塔『タッチ』はその代表格。その他にも、『H2』や『クロスゲーム』といった野球漫画を描いている。
そんなあだちさんは、ヤクルトファンとして球団との関わりも多く、2000年代からはファンクラブ向けにイラストを提供している。
さらに、球団マスコットのつば九郎や、90年代から2000年代に捕手として活躍した古田敦也さんなどとの対談企画も。2017年7月26日に発売された『週刊少年サンデー』35号では、つば九郎があだち充さんの仕事場に突撃し、つば九郎のフリーダムな言動で読者を楽しませた。
そして、2021年には、東京ヤクルトスワローズ日本一を記念して、あだちさんとのコラボグッズを販売。あだちさんが描き下ろしたイラストが使用されており、ファンから大きな注目を集めた。