アニメの主人公のようにコックピットに乗り込み、巨大ロボットを意のままに操縦してみたいと夢見たことはないだろうか。そんな夢の始まりである初の搭乗型ロボットアニメは、1972年に放送された『マジンガーZ』だと言われている。
それ以降たくさんのロボットアニメが誕生したが、面白いことに作品ごとにコックピットにはそれぞれ個性があり、操縦方法もかなり違いがある。今回はコックピットにスポットを当てて見てみよう。
■初の搭乗型ロボットアニメ『マジンガーZ』
冒頭でも紹介したが、搭乗型ロボットアニメの元祖は1972年放送の『マジンガーZ』だと言われている。永井豪氏原作のロボットアニメで、主人公の兜甲児が巨大ロボット「マジンガーZ」に乗り敵と戦うという点が当時としては画期的で大人気となり、後続作品にも大きな影響を与えた。
マジンガーZは、操縦ユニット兼脱出装置である小型戦闘機“ホバーパイルダー”がマジンガーZの頭部にドッキングすることでコックピットとなる。オートバイマニアの甲児に合わせて、バイクに似た仕上がりになっているのも特徴だ。
しかし、バイクを意識し過ぎたためか、巨大ロボット同士の激しい戦闘にもかかわらずマジンガーZにはシートベルトがない。
第2話「ストップ!ザ・あしゅら軍団」、初戦闘となる機械獣ガラダK7とダブラスM2との戦いでは、コックピットにシートベルトがないため、甲児はコックピット内で激しく頭を打ち付け流血する事態になっていた。
さらに、続く第3話「マジンガーZ消滅作戦」の操縦訓練中でも何度も頭を打ち付け流血し、最後には気絶し医務室に運ばれてしまう甲児。見ているだけも頭が痛くなってしまうような壮絶なコックピット状況だった。
ちなみに、この話数のラストでやっと戦闘の衝撃に耐えられるようヘルメットと戦闘服が支給されたが、元祖搭乗型ロボットのコックピットはなかなか過酷なものであった。
■念動力で動かす『勇者ライディーン』
1975年放送の『勇者ライディーン』は、先の『マジンガーZ』をはじめとする当時のロボットアニメの人気の流れに乗る作品で、エキゾチックなメカデザインやオカルト要素をうまく取り入れたストーリー展開から人気を博した。
巨大ロボ「ライディーン」のコックピットはマジンガーの頭部とは異なり、人間の心臓にあたる場所にある。主人公・ひびき洸がライディーンの額から内部に入り、シャフトを降下して座席に収まるという仕組みだ。
第1話「大魔竜ガンテ」で洸がライディーンに初搭乗した際、「念じよ!ライディーンは勇者の思うまま戦うだろう」と、どこからか謎の声が導く。
その言葉通り、このライディーンはラ・ムーの血筋を引く洸の念動力がキーとなって稼働し操縦ができる。複雑な操作が必要ないためか、その後の戦闘では初めての操縦とは思えないほど正確に動き、巨大な船を持ち上げて飛んだりもしている。
洸とライディーンはまさしく一心同体だった。第28話「地獄の巨烈獣大あばれ!」では、豪雷の巨烈獣・コーカツの攻撃により、ライディーンには無数の穴が開き、その影響で洸自身も一時的に命を落としてしまう。ちなみにその直後、ムートロンの力によりライディーンは修復され洸は蘇っていた。