■コウリュウの相討ち覚悟の技「七星抹殺」
最後は、リュウケンと伝承者の座を争ったコウリュウが放つ「北斗神拳奥義 七星抹殺」だ。
ラオウが自らの体の回復を見るために相手に選んだのがコウリュウである。そして、コウリュウは出し惜しみなど一切せずに、いきなりラオウに向かってこの技を出すことになった。
ラオウはこの技に対して「おのれの命を捨て敵の命を奪う 相討ちの拳」と話しており、「断己相殺拳」のような相討ち覚悟の技であることは間違いない。しかしラオウの拳に返され技は不発に。結局全容が分からぬままとなった。
北斗神拳は経絡秘孔を扱うので、相手の動きが止まればその分だけ必殺の秘孔が突きやすいことは言うまでもない。コウリュウはそれを狙っていたのかもしれないが、ラオウに正面からの攻撃で両手を吹き飛ばされてしまったので、秘孔が突けないとなると成すすべがない。まさか北斗神拳にも相討ち覚悟の技が存在するとは意外だ。
なお、アニメでは原作と同じ流れだが、ゲームでは「七星抹殺」が使用できるケースもあり、ファミコン用RPG『新世紀創造 凄拳列伝 北斗の拳3』ではトキが使う技として、「しちせいまっさつけん」が登場。相手が死ぬ代わりに自分も死んでしまうかもしれない高リスクな技として描かれている。
『北斗の拳』では、不発に終わった必殺技がいくつかあり、どれも最終奥義に近い形でもある。確実に相手を殺す技……。そんな技だからこそ、相手も必死にかわしてしまうに違いない。そして、実際に喰らわせるところも見たいという気持ちにもなるのだ。