『北斗の拳』食らわすことができず不発に終わった「最強奥義」アニメ&ゲームではどんな演出だった?の画像
ゼノンコミックスDX『北斗の拳』新装版第1巻(コアコミックス)

 2023年9月で『週刊少年ジャンプ』での連載開始から40周年を迎え、新アニメシリーズ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』の制作も発表されている漫画『北斗の拳』。

 同作の魅力は、主人公・ケンシロウをはじめとする達人たちによる、技と技のぶつかり合いだ。たびたび登場するような有名な技から、一度だけしか登場しないような技まで、敵・味方問わずさまざまな必殺技が描かれてきた。

 そんな中には、技名を叫んだにも関わらず、不発に終わってしまったものもあった。その“強そうな”文字面からどんな技だったのか想像するしかなく、当時の読者はその全容をああでもないこうでもないと思い描いたもので、中にはアニメ化やゲーム化の際にしっかりと登場する技もあった。

 そこで今回は、原作では不発に終わった『北斗の拳』の最強奥義をいくつか紹介をしていきたい。

■レイの不発の究極奥義「断己相殺拳」

 まずは南斗水鳥拳の使い手であるレイの必殺技を紹介していこう。レイが繰り出した技でも、恐らく最強の技といえるのがラオウとの戦いで放とうとした「南斗究極奥義 断己相殺拳(だんこそうさいけん)」だ。

 すさまじい気合いとともに空高く舞い、そこから何かしらの攻撃を繰り出すであろうこの技。妹アイリは「まさか自分の命をかけて!!」と涙しており、相討ち狙いの玉砕覚悟で放つ、まさに究極奥義であることが予想される。

 レイによる起死回生の「断己相殺拳」だがラオウには通じず。空から飛びかかったところにマントで視界を封じられ、そこに「新血愁」の秘孔を突かれて敗北してしまう。いったいどのような技だったのか、「己を断ち」「相殺」という文字面から、やはり自滅覚悟での技ではあったのだろう。

 残念ながら原作ではその全貌が描かれなかった「断己相殺拳」だが、テレビアニメでは空高く舞い上がったレイを見て、ラオウがどういった技か一瞬のうちに見極める。この技は敵の技を全身に食らいながらも相手の全身を切り裂くというもので、それを察知したラオウが「この男、相討ちするつもりか」と咄嗟の判断によりマントを放り投げ、「見切ったわ、貴様は死兆星を見た男だ」と秘孔を突く。

 技というよりも力技に等しいのかもしれない……。

■字面からして恐ろしいケンシロウの「北斗八悶九断」

 ケンシロウが放つ必殺技にも効果の分からないものがある。それが「北斗八悶九断」だ。これは、北斗神拳伝承者にケンシロウが選ばれたばかりの頃、不服に思った兄のジャギが、ケンシロウに勝負を挑んだ際に使用された。

 それまでのジャギの卑劣な行為に対してうんざりしているのもあってか、ケンシロウが本気を見せた瞬間でもあった。ジャギの攻撃をあっさりとかわすと、「北斗八悶九断!!」と叫んで拳を振り下ろそうとした……。しかし、拳は寸前で止まり、ケンシロウは「行け!」とジャギを逃がしたのだ。

 兄ということでとどめをさせなかったケンシロウだが、そのことで後に不幸を招くことになるのは誰もが知っている有名な話。そして、この必殺技がどのようなものかは謎のままとなった。

 八回悶絶した後に九つに体が分断されるという、地獄の苦しみを相手に与えるような技名だが、漫画でもアニメでもその詳細が明らかになることはなかった。しかし、ファミコンのゲーム『北斗の拳2』の攻略本『ハイテク北斗の拳2 秘奥義の書』に収録された袋とじページ「秘奥義大全」によると、「8つの苦しみを与え、体を9つの破片に爆発させ、相手の息の根を止める秘拳」ということが書いてある。さすがに繰り出しはしなかったが、ケンシロウが相当ジャギのことを恨んでいることにも繋がる恐ろしい技だ。

  1. 1
  2. 2