“2画面”、“タッチ”という、それまでのゲーム機にはなかった機能を搭載して、2004年当時のゲーム業界に革命をもたらした「ニンテンドーDS」。なかでもその機能を存分に活かした「リズムゲーム」は、今もなお語り継がれる名作が揃っていた。
今回は、ニンテンドーDSで発売された懐かしの「リズムゲーム」たちに思いを馳せていきたい。
■唯一無二の手軽なバンド体験『大合奏!バンドブラザーズ』
2004年のニンテンドーDS本体と同時に発売された「リズムゲーム」が、『大合奏!バンドブラザーズ』である。
収録された全37曲の楽曲と、演奏したい楽器を選んで気軽にバンド体験を楽しめる本作。ルールは至ってシンプルで、上にスクロールする楽譜に表示されたボタンをタイミングよく押していき高スコアを目指すというものだ。
本作の特徴は何といっても、タイトル通りの「バンドらしさ」にある。使用可能な楽器はおよそ50種類と豊富に取り揃えられており、バンドプレイモードでは最大8人までで合奏できる「採点プレイ」モードと、さらに、その多彩な楽器を用いて人数無制限で合奏することができる「大合奏プレイ」モードが用意されている(※人数分のソフトは必要)。
また、単に楽曲を演奏できるだけではなく、エディットモードでは本体のマイクに向かって鼻歌を歌うことでメロディーを作成する「ハナウタ de 作曲」や、実際に自分で音符を置いて楽譜を作る「スコアメイク・プロ」のモードがあり、初心者から上級者まで気軽に楽曲制作を楽しむことができたのだ。
楽曲と楽器の豊富さから、ともに遊ぶ人によって無限の広がりを見せた『大合奏!バンドブラザーズ』。DSのローンチタイトルでありながら、多くのプレイヤーの思い出に刻まれたタイトルになったことは間違いないだろう。
■応援の熱に比例してタッチも強くなっていく!? 『押忍!闘え!応援団』
DS発売の翌年2005年には、『押忍!闘え!応援団』が発売された。
困っている人々を「応援」するために、応援団がリズムに乗って人々を助けるというコンセプトの本作。まるでギャグ漫画のようなコミカルさで自然と笑顔になれる強烈な物語は、一度観たら印象に残ることは間違いない。
実際のプレイでは、下画面に表示されるマーカーを数字の順番にリズムよくタッチすることでスコアが増加していくというものだ。時にはスライドしたり回したりなど、求められる動作が豊富であたふたしてしまう時もあるが、「気合いゲージ」を維持し続けることで進行していく物語が非常にコミカルで、ストレスなく楽しむことができるのも本作の魅力である。
演出の派手さや爽快感、思わずクスッと笑ってしまう物語などプレイヤーを惹きつける要素が多く、キャラクターを応援しているうちに自分も元気づけられているような気持ちになった人も多かったのではないだろうか。
DSの“タッチ”という独自の機能を存分に活かした、「リズムゲーム」の名作である。