長年多くのファンに愛され続けているヒーロー「ウルトラマン」。その新たなストーリー『Ultraman: Rising』が6月14日から、Netflixにて公開される。
本作で主人公であるサトウ・ケンの日本語吹き替え声優を務めるのは、人気俳優の山田裕貴さんだ。近年話題の映画やドラマに次々と出演しており、最近では月9ドラマ『君が心をくれたから』での素晴らしい演技も記憶に新しい。
そんな大ブレイク中の山田さんだが、デビュー作は子どもたちのヒーロー、スーパー戦隊の『海賊戦隊ゴーカイジャー』だったことをご存じだろうか。
そこで今回は、山田裕貴さんの原点と言える作品『海賊戦隊ゴーカイジャー』と、そこでの活躍を振り返っていく。
■クールな凄腕の剣士・ゴーカイブルー
山田裕貴さんのデビュー作である2011年『海賊戦隊ゴーカイジャー』は、記念すべきスーパー戦隊シリーズ第35作目の作品で、過去34作のスーパー戦隊の力を借りて戦うところが最大の特徴だ。また、シリーズ初の“海賊”モチーフということもあり、単純な正義の味方という感じではなく、豪快で生意気、時には仲間同士で言い争うなどヤンチャなところも魅力的な戦隊だった。
本作で山田さんは、凄腕の剣士ジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)を演じていた。シリーズ屈指の破天荒なレッドのキャプテン・マーベラス(ゴーカイレッド)とは対照的に、冷静沈着でちょっと不愛想、束ねた長い黒髪もクールなサブリーダーだった。また非常にストイックな性格で、劇中ではよく腹筋・腕立て伏せなどのトレーニングや、剣の手入れを行っている姿が見られた。
そんなジョー屈指の見せ場は、第38話『夢を掴む力』での強敵バリゾーグとの一騎打ちだろう。
敵の決戦兵器に敗れ、囮となったマーベラスに強制脱出させられたゴーカイジャーたち。ジョーも1人残されたマーベラスのもとに急ぐが、その前に宇宙帝国ザンギャックのサイボーグ戦士・バリゾーグが立ちふさがる。バリゾーグは、ジョーの先輩であるシド・バミックが洗脳と全身機械改造を施された悲しい姿であり、因縁の相手だ。
苦戦するジョーだったが、「俺は……絶対に勝つ! 借りを作ったまま死ねないからな 待っていろ、マーベラス」と諦めず、剣士らしい一騎打ちでバリゾーグに勝利する。ようやくシドの魂が開放され、かつての先輩後輩のように会話して別れるシーンはジョーの名場面の1つだ。
放送当時山田さんは21歳、魅力的な目元はよりシャープな印象で、孤高の剣士であるジョーは非常にハマリ役だった。
■ゴーカイブルーと言われることは「うれしいです」
今や人気俳優となった山田さんだが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』のジョー・ギブケン(ゴーカイブルー)役だったことをどう思っているのか、ファンとしては気になるところだ。そしてその答えは、2023年放送のNHK Eテレ『沼にハマってきいてみた』の「山田裕貴と特撮ヒーロー沼」にあった。
番組に出演した山田さんは、MCのハマ・オカモトさんやゲスト、ファンのみなさんと一緒に当時の思い出を振り返った。その中で「ずっと、そのキャラクターで見ちゃう。山田さんは特撮以外のこともやっている。いまだにゴーカイブルーとして見ちゃう人に対してどう思っているのか」というファンからの疑問に対し、山田は「うれしいです」と即答。「その時から応援してくださっているということ。知ってもらうことが俳優の第一歩なので、ありがたい」と心境を述べている。一方で「自分にとっては壁でもある。超えていかないといけない」と役者として自分に厳しい面も見せていた。
他にも番組内では、山田さんがキレキレの変身ポーズと名乗りを披露する場面もあり、今でも変わらぬ本作への愛を感じることができた。