『仮面ライダー』シリーズには、多くの仮面ライダーが登場してきた。なかでも一際目を引く存在なのが“白色”の仮面ライダーではないだろうか。白色は高貴さ漂う特別な色で、シリーズのなかでも貴族や女性、はたまた最強の敵など特別なライダーに用いられてきた。
そこで今回は、『仮面ライダー』シリーズに登場した“白色”の仮面ライダーたちを紹介する。その白く美しい見た目とは対照的に、作中で激しく暴れ回る姿にも注目してほしい。
■史上初の女性ライダー「仮面ライダーファム」
まずは、『仮面ライダー龍騎』から「仮面ライダーファム」を紹介する。
仮面ライダーファムは、2002年に公開された本作の劇場作品『仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』に登場するライダーの1人だ。本作では、龍やコウモリなどさまざまな生き物をモチーフにするライダーが登場するが、仮面ライダーファムは“白鳥”をモチーフにした白く美しいライダーだった。
さらに注目すべきは、仮面ライダーシリーズ初の女性ライダーだったという点だ。加藤夏希さん演じる霧島美穂が変身した仮面ライダーファムは、高いヒールに白いマントを装備し、ほかのライダーとは一線を画す女性らしい優雅なデザインが特徴だった。
作中では激しくも騎士然とした戦いぶりを見せており、ファンからも人気のライダーだ。仮面ライダーリュウガの攻撃を受け、自身の死期が近いことを悟った際には、ともに戦い、ひそかに好意を抱いていた城戸真司に悟られないよう気丈に振る舞う姿も健気であった。
■貴族のような立ち振る舞い「電王ウイングフォーム」
仮面ライダーファムは白鳥モチーフだったが、『仮面ライダー電王』にも白鳥をモチーフにしたライダー、電王のウイングフォームが登場する。
本作には、“イマジン”という人間のイメージによって肉体を得た怪人が多く登場するが、その味方のイマジンの一人であるジークが仮面ライダー電王に憑依した姿が、この“ウイングフォーム”である。
ジークは『白鳥の湖』の白鳥をイメージし、具現化した姿であるため、白い羽根がところどころにあしらわれた、まさに白鳥モチーフの見た目をしている。高貴な出自だと自称し、周りを好き勝手に使う自己中心的な性格をしているが、不思議と憎めないキャラでもある。
「降臨、満を持して!」の台詞とともに変身する電王のウイングフォームは比較的シンプルながらも、ゴージャスな白色と金色を基調とし、複眼の部分は青色をしている。
また戦い方は、両手武器による怒涛の連撃を叩き込み、終わると後ろ手に腕を組む独特の所作で、非常に軽やかかつ無駄のない動きだ。さらには、ジャンプ力や走力は電王のクライマックスフォームをも上回るともされている。
モモタロスやウラタロスなどのレギュラー味方イマジンとは違い、登場回数が少ないジークだけに電王のウイングフォームはかなり特別感があった。