今年の4月に放送開始30周年を迎える伝説的な少女ギャグ漫画がある。それが、“少女漫画界に咲くドクダミの花”と称された、岡田あーみんさんの『お父さんは心配症』だ。
本作は1983年から少女漫画雑誌『りぼん』(集英社)で掲載された。80年代の少女漫画といえば王道ラブストーリーが多いなか、ギャグタッチで描かれるシュールな内容の本作は一際目を引いた。ストーリーの面白さはもちろんのこと、岡田さんの独特なタッチで描かれる作画も相まって多くの読者の心を掴み、実写ドラマ化も果たしている。
今回は、そんな伝説的ギャグ漫画『お父さんは心配症』の実写ドラマがどのようなものだったかを振り返りたい。
■主役は大地康雄さん!典子役の持田真樹さんがとにかくカワイイ!
『お父さんは心配症』は、妻に先立たれ、シングルファーザーとして1人娘の典子を育ててきた主人公・佐々木光太郎の物語だ。娘を心配するあまり強烈な行動を取る光太郎は、典子のボーイフレンドである北野を包丁で刺したりピストルで撃ったりと、ハチャメチャな行動を取る。
今の時代であれば、きっとコンプライアンスに引っかかってしまうであろう問題作(!?)であるが、実写ドラマは1994年にテレビ朝日系列で放送された。
主役の佐々木光太郎を演じたのは、大地康雄さん。『マルサの女』や『刑事鬼貫八郎』などの作品でも知られる演技派俳優だ。そして娘の典子を演じたのは、当時清涼飲料水のCMに出演し、美少女と話題になった持田真樹さんだった。
漫画に登場する佐々木光太郎と大地さんのビジュアルはかなり異なる。原作の光太郎は割とスリムでフサフサの黒髪、そして、コマごとにフォルムが自由に変化する(!?)メガネが特徴だ。
それに対し大地さんはややふくよかで頭髪は薄く、メガネもかけていない。当時ドラマを見ていた筆者は正直、だいぶイメージが違うな……と思っていた。しかし、やや強面の大地さんが「典子はどこだ!?」と言ってウロウロと徘徊するようなシーンなども面白く、これはこれでコミカルにできていると感心した。
そして、典子役を演じていた持田さんがとにかくカワイイ! 原作では典子は純情な乙女であり、唯一マトモなキャラクターである。ドラマで持田さんが演じる典子もキラキラとした大きな目を輝かせ、さらさらの黒髪をなびかせていたのが印象的だった。困り顔でお父さんと対峙したり、北野をまっすぐに見つめるまなざしは今見てもキュンとする。
■北野役はあの国民的アイドルメンバー! 漫画にはない典子の妹も登場
実写ドラマの『お父さんは心配症』で典子のボーイフレンドの北野を演じたのは、国民的アイドル「TOKIO」のメンバー・国分太一さんである。
当時19歳の国分さんは、まさに正統派の美男子。キラキラと輝く瞳が印象的な国分さんが持田さんと見つめ合う姿も素敵で、お似合いの美男美女カップルだった。
また、実写ドラマでは、原作の漫画とは異なる人物も登場している。それが典子の妹、佐々木奈々だ。奈々役を演じていたのは、当時『あっぱれさんま大先生』にも出演していた人気子役の有田気恵さんだ。ドラマでの細かい年齢は分からなかったものの、小学生くらいの設定だったように思える。
少女らしい高い声にも特徴がある気恵さんは、ドラマではしっかり者の妹として姉をたしなめる演技を見せており、新たな盛り上げ役として活躍していた。