1月19日に公開され、3月12日までの公開54日間で観客動員数188万人、興行収入27.8億円を突破し大ヒット中の映画『ゴールデンカムイ』。
3月20日からは、第2弾入場者プレゼントとして原作者・野田サトル氏描き下ろしA5サイズのアートボードが新たに配布される。全国合計30万人限定で配布されるこのアートボードは、1面はカーテンコールに登場する杉元・アシリパ(※「リ」は小文字が正式表記)・尾形・白石・鶴見・土方の姿と、野田氏の直筆メッセージが描かれたカラーイラスト、もう1面は3コマ・4コマ漫画のモノクロイラストが掲載されている。
『ゴールデンカムイ』の実写化が初めて発表された際には、SNSで原作読者からの不安の声も目立ったが、映画が公開され蓋を開けてみれば、一転して大絶賛の嵐。『るろうに剣心』や『銀魂』シリーズのように「成功した実写化映画」と高い評価を集めている。「なぜこんなにも人気が出たの?」と気になる人も多いのではないだろうか。
すでに2024年秋には映画の続編となるドラマシリーズ版として『WOWOW 連続ドラマW ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-』の放送が決定し、新たなキャラクターのキャスティングも発表されている。実写化された『ゴールデンカムイ』の世界に入り込むのはまだ間に合う! 今回は同作が、予想以上の高評価を集めた理由を探りたい。
■今後のドラマシリーズの期待も高まるキャラ再現とリアリティ
まず『ゴールデンカムイ』は、『週刊ヤングジャンプ』で2014年から2022年にかけて連載された漫画作品だ。日露戦争後の北海道を舞台に、元陸軍兵の杉元佐一とアイヌの少女・アシリパがアイヌが秘蔵している金塊を探す物語で、随所にアイヌ文化が散りばめられている。
今回の映画では、コミックス全31巻のうち、3巻前半分までのエピソードが128分をかけて丁寧に描かれている。
漫画などの実写化作品では、衣装をはじめとするキャラのルックスの再現度が重要だが、今回の映画はその点の満足度が非常に高い。今作は物語の序盤にあたる内容のため、まだまだ主要人物の一部しか登場していないものの、いずれの登場人物も、個性はありながらもあくまで当時の日本に実在していたのではないかと感じさせるようなリアリティがある。
一部に特殊メイクを施したキャラもいるが、どのキャストを見ても骨格から原作キャラに似ているのだ。特にビジュアル発表時から多くの注目を集めていた玉木宏さん演じる鶴見中尉は、画面の中からも圧を感じるほどのカリスマ性を放っていた。
同作はファンタジー作品ではない。物語開幕時から日露戦争の惨たらしさがまざまざと描かれており、そこをオブラートに包んだ表現にしなかった点も、原作のリアルな魅力を高めているのだろう。登場人物も、重要なキャラかと思いきやあっけなく死んでしまったりと、先の読めない面白さがある。