「鳥山明原作への愛」がたっぷり詰まったスーパーファミコン『ドラゴンボールZ超武闘伝』の魅力を振り返るの画像
『ドラゴンボールZ 超武闘伝』(編集部撮影)

 漫画家の鳥山明さんが、2024年3月1日に急性硬膜下血腫のため68歳で亡くなっていたことが、3月8日に発表され、世界中に衝撃を与えました。

『Dr.スランプ』や『ドラゴンボール』といった漫画作品だけでなく、『ドラゴンクエスト』のキャラクターデザインを手がけていたことで、ゲームの世界でもファミコン時代から子どもたちが夢中になった鳥山作品の数々。

 鳥山さんが人気を牽引した、黄金期の『週刊少年ジャンプ』の連載作品の多くがファミコンやスーパーファミコンでゲーム化されてきましたが、『ドラゴンボール 神龍の謎』に始まり、『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』など、『ドラゴンボール』のゲームは名作ばかり。

 そんな中、同作の初の対戦格闘ゲームとして当時の子どもたちがハマったのが、今から31年前となる1993年3月20日に発売された『ドラゴンボールZ 超武闘伝』。『ドラゴンボール』のファンアイテムとしても人気は高く、いまもファンがいるほど。そんな本作の魅力を発売31周年のいま、改めて再確認してみたいと思います。

■Dr.ゲロやセルなどプレイアブルキャラのチョイスが渋い

『超武闘伝』は、マジュニアを名乗ったピッコロとの天下一武道会からセルゲームまでが舞台で、その間に登場する悟空やベジータ、ピッコロといったレギュラーメンバーを含めた8キャラが使用可能。さらに、そこにDr.ゲロこと人造人間20号とセルが入っている珍しいチョイスとなっています。

 セルといっても、人造人間17号、18号を吸収したいわゆる完全体ではなく、最初に登場したクリーチャーぽいタイプであり、しかも原作同様に悟空やピッコロの細胞を吸収しているのか、かめはめ波や魔貫光殺法も使えるうえ、相手の体力を吸収して体力回復するというチートぶり。

 また、Dr.ゲロも、セル同様に相手から体力を吸って回復できるだけでなく、かめはめ波など必殺技を吸収して体力を回復するという超チート級の性能。原作では残念な終わり方をしたDr.ゲロですが、ゲームではトップクラスのポテンシャルがある強キャラなのです。

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