『カウボーイビバップ』に『あの花』に『コードギアス』… ガチ泣きした“オリジナルアニメ”の最終回の画像
カウボーイビバップ (C)サンライズ

2月から「Honda」のCMで、『カウボーイビバップ』の最終話ED曲『Blue』が25年ぶりに新バージョンで起用されたことが注目を集めた。歌唱を担当するTikTok発の新鋭アーティスト・Mayaさんの伸びやかな歌声も魅力的である。

 しかしCMを観た人の中には、『カウボーイビバップ』ってどんな作品なの?と思う人も多いかもしれない。

『カウボーイビバップ』は漫画や小説が原作になっているアニメではなく、オリジナル作品なので知名度が低いかもしれない。原作ありのアニメは結末が分かっているのに対し、オリジナルアニメは結末が分からない……。これはいわば諸刃の剣で、成功するパターンもあれば失敗するパターンもある。

 そこで今回は『カウボーイビバップ』を筆頭に、思わずガチ泣きしてしまう素晴らしい最終回を迎えた作品を紹介していきたい。

■『カウボーイビバップ』

 冒頭でも紹介した『カウボーイビバップ』は、1998年の作品にもかかわらず未だに根強いファンが多い。宇宙を舞台にした賞金稼ぎたちのストーリーとなっていて、各話でさまざまな人間模様が描かれているのが魅力のひとつである。

 最終話では、主人公のスパイクが愛した女性・ジュリアが命を落としてしまう。そして、スパイクのライバルでジュリアとかつて恋人だったビシャスがスパイクと直接対決。

 同じ女性を愛した者同士の戦いの結末は、スパイクに軍配が上がり、ビシャスは息絶えることに。しかしその後、スパイクはよろよろと階段を下りていくと、そのまま倒れて動けなくなる……。そして、スパイクが死んでしまったのではないか?ということを匂わせてのエンディングとなったのだ。

 最終決戦前にスパイクが口にした「死にに行くわけじゃない。俺が本当に生きてるかどうか確かめにいくんだ」という台詞は名言である。さらにスパイクが倒れる直前の、指先で銃を撃つ仕草など、男の美学を最後まで貫き通す姿が何ともいえない。

 スパイクは常に死を覚悟していたからこそ、最終回でも潔さと儚さがあってどこか悲しくなってしまった。今見直しても色褪せない作品だといえる。

■『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は通称「あの花」と呼ばれ、感動アニメの代表格としてよく知られている。

 設定も独特で、幽霊となって現れた幼なじみの少女・めんまを主人公のじんたんが成仏させるというものだ。「どうやったらめんまが成仏するのか?」がすべての鍵で、元幼なじみの5人組「超平和バスターズ」がそれを解決しようとする。

 めんまの死がきっかけでバラバラになってしまった「超平和バスターズ」のメンバーは、それぞれ何かしらの闇を抱えている。それをひとつひとつ解決するのも見どころで、いびつだった関係が少しずつ元に戻っていくさまにほっこりさせられる。

 そこからめんまを成仏させることに集中するのだが、何故かなかなかうまくいかない……。さらに「めんまは何が望みなんだ?」とじんたんが悩んでいると、これまで見えていたはずのめんまの姿が突然見えなくなった。

 これにはじんたんも焦って必死にめんまを探して森の中を走り回り、他の仲間もそれに加わる。じんたんはめんまがかくれんぼをしてふざけていると話し、「もーいーかーい」と何度も叫んだ。

 そしてじんたんだけでなく仲間も「もーいーかーい」と一緒に叫ぶと、「もういいよ」という声とともにめんまの姿が全員に見え、最終的には「みつかっちゃっ……た」と言いながら消えてしまう……。この場面には涙腺が崩壊してしまった。

 めんまはそれまでにすでに自身の心残りを晴らしていたが、最後に全員の心がひとつになったことで、安心して成仏することができたのだと思う。おそらく、それぞれに自分の死を乗り越え新たな未来を歩んでほしいという願いもあったのだ。何度見返してもこのシーンは泣いてしまう。

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