■ときにはこんな大御所も!? 大人の“美女”も続々参戦!
楳図さん原作のホラー映画には数々の美少女役を演じる女優たちが登場しているが、一方で年齢を重ねた大人の“美女”たちも活躍している。
たとえば、2008年に公開された映画『赤んぼ少女』。赤ん坊のまま成長が止まった醜悪な見た目のタマミが“怪物”として登場する本作で彼女の養母(主人公の母)である南条夕子を熱演したのが、数々のトレンディドラマでも活躍している大女優・浅野温子さんだった。
明るく爽やかな役柄を演じることが多い浅野さんだが、本作ではこれまでのイメージから一変、不気味な立ち振る舞いで主人公の葉子や視聴者の不安をあおる養母役に徹している。
また、楳図さん自らが監督も務めた2014年の映画『マザー』では、元宝塚歌劇団の雪組トップ娘役だった舞羽美海さんがヒロイン・若草さくらを演じている。舞羽さんは宝塚歌劇団を退団して約1年でこの重要なキャラクターに抜擢された。
彼女自身、ホラー作品は苦手分野であったらしいが、宝塚時代に培った圧巻の演技力によって、見事にこの大役を成し遂げている。
楳図さんの作品には怪異に翻弄されるヒロインというのが付き物ではあるが、一方でそんなヒロインをバックアップしたり、ときに精神的に追い詰める美女も物語のアクセントとして欠かすことができない存在といえるだろう。
楳図さんの作品をベースとした実写映画作品は非常に多く、それぞれの世界観にあったさまざまなヒロインも見どころの一つだ。怪異に翻弄されたり、ときにその怪異そのものとなったり……スクリーンのなかで女優たちが熱演するその姿は必見である。