『おろち』谷村美月や『まだらの少女』成海璃子も…ホラー漫画実写化のキモ? 楳図かずお作品のヒロインを見事に演じた美少女たちの画像
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 漫画家・楳図かずおさんが生み出すホラー作品は数多く実写映画化されており、スクリーンを通して観客たちを震え上がらせている。数々の俳優が漫画のキャラクターを演じるなか、誰しもが知る有名女優も作中に登場していたことをご存じだろうか。楳図作品に出演した、美しい女優たちの姿について見ていこう。

■人ならざるものを演じ切る驚異の演技プラン…『おろち』谷村美月

 1969年に『週刊少年サンデー』(小学館)で連載された『おろち』は、歳をとることのない謎の美少女・おろちを通し、さまざまな人間が辿る悲壮な物語を辿っていくオムニバス形式のホラー漫画だ。

 楳図さんの作品は普段、怪談的な恐怖がメインで描かれることが多いが、本作では人間が持つ心の“闇”にフォーカスを当てており、現実世界で誰しもが体験するような心理的恐怖が読者の心を締め付けていく。

 2008年に公開された実写映画では、原作でも好評だった「姉妹」と「血」の2エピソードを組み合わせたストーリーが展開された。

 実写化にあたりやはり気になるのは、作品のタイトルにもなっているキーマンの美少女・おろちのキャスティングだろう。この重要な役柄を演じたのが、NHK連続テレビ小説『まんてん』でデビューを果たし、その後も『カナリア』、『魍魎の匣』、『リアル鬼ごっこ』といったさまざまなジャンルの映画に出演している谷村美月さんだった。

 おろちを演じるにあたり、谷村さんはまず徹底的に原作を読みこみ、作品のファンが大事にしている“おろち像”を研究したという。

 また、監督からは「おろちは人ではないので、まばたきをしないでくれ」と指示を受けていたそうで、風や物が飛んでくるシーンをまばたきを我慢しながらゆっくりと動き演じるのは大変だったと当時のインタビューで明かしていた。

 こういった工夫や谷村さんの演技力の高さが組み合わさり、美しくもどこか妖しく、それでいて“人ならざるもの”としての凄みを兼ね備えたおろちの姿が見事に表現されることとなった。

 原作者の楳図さんも絶賛したおろちの姿を、ぜひご自身の目で確かめてみてほしい。

■幼い体に宿った光と闇…『まだらの少女』成海璃子

 楳図さんは2005年に漫画家活動50年を迎えており、これを記念した実写映画『楳図かずお恐怖劇場』が同年に公開されている。

 こちらもオムニバス形式の映画作品なのだが、そのなかで描かれた『まだらの少女』なるエピソードに、若き日の大女優が出演していたことをご存じだろうか。それが、のちに大河ドラマ『平清盛』や『青天を衝け』などに出演することとなる、成海璃子さんである。

 2000年にドラマ『TRICK』にて子役としてデビューを果たした成海さんだが、『まだらの少女』の出演時はなんと12歳。作中でも重要なキャラクターである山川京子役に抜擢された。

 京子は主人公・中村弓子の友人として振る舞う心優しい少女なのだが、一方で物語後半では“異形”としての本性をあらわにし、弓子を追い詰めていくこととなる。

 当時、12歳の成海さんにとっては難易度の高い役であっただろう。それでも京子というキャラクターが持つ“光”と“闇”の二面性を見事に演じている姿に、彼女が幼いころから身につけていた女優としての高い力量を感じざるをえない。

 とくに本性をあらわにしてから彼女が見せつける“目力”は必見。特殊メイクなどを使わずとも、目の前の少女になにか“人ならざるもの”が宿っていることを予感させる名演技だった。

 舞台となる閉鎖的な田舎のなか、徐々に変貌していく少女の姿は視聴者におぞましい恐怖を植え付けたことだろう。

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