文房具は時代とともにブームがあり、その見た目や使い方は年々変化している。なかでも昭和後期の文房具は種類が多様化し、多くのデザインがブームになった。今とは違ってスマホもない時代、何かメモを取る際には鉛筆やノートが必須であり、今よりも文房具の活躍は多かったように思う。
そこで今回は、昭和に子どもたちの間で流行った文房具をいくつか紹介したい。
■裏にはお手製マグネットつき!? 「缶ペンケース」
昭和のスクールライフで使われていた筆箱といえば、「缶ペンケース」ではないだろうか。ブリキでできた「缶ペンケース」は軽くてコンパクトであり、ランドセルのなかにもすっぽり入った。しかし落としたときの衝撃音が大きく、中身がバラバラに出てしまった記憶がある。
この「缶ペンケース」はマグネットを貼ることもできたので、お手製のマグネットを貼っている子どもも多かった。筆者も当時のアイドルの写真を切り取ったマグネットをケースの裏に貼り付けていた記憶がある。また、文字を書いて乾かしたボンドを貼るのも流行っていた。
「缶ペンケース」は鉛筆を入れるだけでなく、子どもたちのオシャレな遊びのブームも作っていたのである。
■頭をゴシゴシどのくらい髪の毛が立つ? 「下敷き」
1980年代に流行ったのが、プラスチック製でできている「下敷き」だ。キャラクターなどのデザインが描かれているものがほとんどで、誰もが持っていたように思う。この下敷きを頭にこすりつけ、静電気で髪の毛を立たせた経験のある人も多いだろう。
下敷きのデザインには、サンリオキャラクターをはじめ、ボードゲームが楽しめたり、“占い付き”、“匂い付き”といったユニークなものもあった。両手でたわませるとポコポコ特殊な音がして、遊んでいるうちに折れてしまうこともあった。
また透明で2重になっている下敷きもあり、間に好きなキャラクターやアイドルの写真などを挟んでオリジナル下敷きを作ることも流行った。筆者は当時大好きだった中山美穂さんの写真を挟んでいた。授業中に“美人だなー”と、見とれていた思い出が懐かしい……。