■長年に渡るチッチの想いはどうなった!? 43集の結末に驚きの展開が…

『小さな恋のものがたり』は、2014年に刊行された第43集(学研出版)で、一度完結している。

 約50年にも及ぶチッチとサリーとの関係はどうなったのか、さっそく読んでみた。すると、終盤に掲載されている「第五部 告白」では、衝撃的な展開が待っていた。

 ある日、“話がある”とサリーに呼び出されたチッチ。二人きりのデートだと舞い上がるチッチにサリーは「チッチの夢は何?」と聞く。

 サリーとの結婚式を夢見るチッチの前で、「スウェーデンに留学して物理を勉強したい」と告げたサリー。さらに、なんと明後日旅立つことを伝える。

 ショックを受けるチッチを前に、「でもチッチ ぼくたちは永遠にぼくたちではいられないんだ」とサリーは言う。まさにこの漫画の連載も永遠に続くことはない、と読者に伝えているようで、あまりに悲しく衝撃的だった。

 その後、泣き通したチッチだが、サリーの夢を応援するために彼の旅立ちを見送ることに。最終ページにある「いってらっしゃい サリー 思いっきり 自由にはばたいて…わたしは大丈夫だから」という詩はなんともせつなく、胸が震えた。

 こうして2人はサリーの留学によって別れた……かに思えたが、2018年に『小さな恋のものがたり その後のチッチ』として物語は再開している。

 ここではサリーがスウェーデンに旅立ったあとのチッチの日常が展開されており、もしかしたらサリー以外の男性と!?……という気になる展開になっている。

 現在、最新刊は第46集まで販売されているので、気になる人はぜひ手に取ってみてほしい。

 

 2024年で、みつはしさんは漫画家デビュー62年目を迎える。2010年に大病を煩った際、一度はペンを握ることもできなくなったそうだが、周りの励ましもあり、再びチッチたちを登場させてくれた。

 みつはしさんは80歳を超えた今でも、現役で漫画を描き続けている。留学に行ったサリーは帰ってくるのだろうか。チッチとどのような関係になっていくのか、今後の展開もまだまだ目が離せない。

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