■あのレジェンド漫画家が執筆を志願! 『半妖の夜叉姫』

 最後は、1996年から『週刊少年サンデー』で連載された、高橋留美子氏の戦国ファンタジー『犬夜叉』の正統続編漫画『~異伝・絵本草子~ 半妖の夜叉姫』(漫画:椎名高志氏、 メインキャラクターデザイン:高橋留美子氏、 脚本協力:隅沢克之氏)を紹介したい。

 アニメ作品『犬夜叉』のコミカライズにあたる本作。犬夜叉と日暮かごめが結ばれた最終回から数年後、殺生丸の双子の娘・姉のとわ、妹のせつな、犬夜叉の娘・もろはの3人娘が、戦国時代で起こる異変に立ち向かっていく。

 本作でまず驚かされるのが『GS美神 極楽大作戦!!』『絶対可憐チルドレン』で知られる椎名氏が執筆している点だ。“あの”高橋さんの名作の続編を、“あの”椎名さんが手掛ける……『サンデー』好きにとっては冗談にすら聞こえる豪華タッグである。

 椎名氏の新解釈がふんだんに盛り込まれた本作は、高橋氏の原作ともアニメ版とも異なる“まったく新しい『犬夜叉』の続編”として、とても読み応えがある。鋼牙や琥珀といった前作のサブキャラが活躍する嬉しい展開も多く、読み進めるほどに「さすがは『サンデー』のレジェンド漫画家だ……」と、うならされるばかりだ。

 ちなみに椎名氏がコミカライズ担当となった経緯は、椎名氏自身が志願し、高橋氏がOKを出したとのこと。高橋氏は最初「冗談でしょ?」と思ったそうだが、それも無理はないだろう。

 

 名作と呼ばれる漫画は、基本的に大団円で幕を閉じている。一度は綺麗に終わった物語の“その先”を考え、面白く仕上げるのはとても難しいはずだ。

 その高いハードルを超えた続編はもはやただの続編ではなく、新たな名作として読者を楽しませてくれる。今回見てきた漫画のファンだった人は、続編にも手を出してみてはいかがだろうか。

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