往年の人気漫画をリバイバルする流れが近年活発化している。1回だけの読み切りで復活する例もあるが、最終回の数年後、数十年後を描く正統続編を連載する作品も少なくない。なかには既存のファンだけでなく新規読者をも巻き込み、新たなブームを生み出す漫画もあるほどだ。
今回はかつて一時代を築き、今も続編で人気を博している名作を紹介しよう。知らなかった人は「あの漫画、今はこうなってるの!?」と驚きながら読んでいただきたい。
■2024年7月にアニメ放送決定!『キン肉マン』
まずはゆでたまご(原作担当:嶋田隆司氏、作画担当:中井義則氏)の超人プロレス漫画『キン肉マン』だ。
1979年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まり“ジャンプ黄金期”をおおいに盛り上げた本作は、1987年に連載が終了。そして2011年から、『週プレNEWS』で続編の新シリーズを開始した。
『キン肉マンII世』とは異なり、『ジャンプ』時代の最終シリーズ「キン肉星王位争奪編」の“その後”から始まるのが新シリーズの特徴だ。テリーマンにロビンマスク、そしてキン肉マンことキン肉スグルの新たな活躍を見られるのは、やはり『キン肉マン』ファンにとってはたまらない。
しかし『キン肉マン』新シリーズはそれだけではない。『ジャンプ』時代の細かい描写やキャラを再解釈し、深みのあるストーリーを展開していて、これがとても面白いのだ!
たとえば「完璧超人始祖編」では、かつてキン肉マンと敵対した悪魔将軍や悪魔超人たちの過去や性格を丁寧に掘り下げ、とても魅力的な超人として描いている。人間ドラマや伏線を盛り込んだ「完璧超人始祖編」はネット上で大きな話題を呼び、新規ファンの注目も集めている。
2024年7月に新作シリーズのアニメ放送も決まった『キン肉マン』。その勢いは約40年前の作品とは思えないほどだ。
■十数年後も人と魔物の絆は不変!『金色のガッシュ!!2』
人間と魔物の子のペア100組が魔界の王の座をかけて戦うバトル漫画『金色のガッシュ!!』。2001年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載開始された雷句誠氏による本作は、2000年代の子どもたちを夢中にさせ、アニメ化もされた人気作だ。
主人公の高嶺清麿とガッシュ・ベルが壮絶なバトルロイヤルを制した最終回から約15年後、2022年に始まった正統続編が『金色のガッシュ!!2』である。前作から十数年後を舞台に、大人になった清麿や魔界の王として成長したガッシュの再会と新たな戦いが描かれる。
本作は雷句氏自身が執筆しているだけあり、雰囲気も完全に『金色のガッシュ!!』そのもの。清麿とガッシュはもちろん、フォルゴレとキャンチョメ、シェリーとブラゴといった名コンビも再結成される。
とくにフォルゴレとキャンチョメの再会シーンでは、前作屈指の人気エピソード「カバさん」を思わせるニクい演出が……。15年も前に描いたエピソードを続編に活かす雷句氏の力量はさすがとしか言いようがなく、"ガッシュ愛"を存分に感じられる。
本作は現在、各種電子書籍サイトで月刊ペースの連載および配信をおこなっている。清麿やガッシュたちの新しい姿、そして十数年ぶりでも変わらない絆は必見だ。