■『まじかる☆タルるートくん』タルるートや『HUNTER×HUNTER』センリツも
TARAKOさんは、ほかにも多くのアニメでキャラクターの声を務めてきた。
たとえば、江川達也さんの人気漫画のアニメ化である1990年放送の『まじかる☆タルるートくん』。本作では、主人公・タルるート役に抜擢されている。
自称、大魔法使いの少年・タルるートは、幼くも話し言葉は常に男言葉でタメ口だ。そのやや高圧的な口調も、TARAKOさんが演じると不思議と可愛く聞こえたものだった。
また、TARAKOさんは、オープニングテーマ「オレ タルるート」の歌唱や、エンディングテーマの「タルル・カタブラルル」の作詞作曲歌唱も担当しており、ここでも多彩な一面を見せていた。
1999年には、冨樫義博さんの人気漫画を原作とするアニメ『HUNTER×HUNTER(第1作目)』のヨークシン編でハンター・センリツを演じている。
センリツはクラピカをはじめとする護衛団メンバーやゴン、キルアを冷静にさせる優しい女性キャラだ。まる子やタルるートとはまた違う、柔らかく落ち着いた大人の女性の声が魅力的だった。
■スタジオジブリ作品にも多数出演、ナレーションも…
実はTARAKOさんは、『スタジオジブリ』作品にも多数出演している。
1984年『風の谷のナウシカ』では、ユパや城オジたちに森に胞子が残っていることを伝えに来た少年を、1988年『となりのトトロ』では、下校するサツキに「またね~」と声をかける少女を演じている。
さらに、1986年『天空の城ラピュタ』では、親方ことダッフィーの娘・マッジ役で出演。好奇心旺盛な少女で海賊のドーラ一家が現れた際は「海賊!? 見るー!」と叫び、母親に抑えられ連れられて行く姿が、TARAKOさんの声と相まって非常に可愛らしかった。
また、TARAKOさんはアニメの声優だけでなく、ナレーションの仕事も数多くしている。
NHK BSプレミアム『ニッポンぶらり鉄道旅』や、日本テレビ『news every.』での『そらジローあのね』の、そらジロー役および特集コーナー。個人的には、2002年から2007年に放送されたテレビ朝日『銭形金太郎』でのナレーションが大好きだった。
ネプチューンがMCをしていた本番組は、お笑い芸人が貧乏生活を送る人(ビンボーさん)の家に出向き、その生活をリポートする生活応援バラエティーだった。TARAKOさんの底抜けに明るいナレーションが番組の趣旨とも非常にマッチしており、声の力で番組を盛り上げていたのが印象的だ。
TARAKOさんがこれまでに演じてきたキャラクターたちを振り返ってきた。たくさんの作品に携わってきた方だったが、個人的にはやはり『ちびまる子ちゃん』でのまる子の声が一番心に残っている。
ややもすると憂鬱になりがちな日曜の夕方、筆者は子どものころから、TARAKOさん演じるまる子からたくさんの元気をもらってきたように思う。多くの日本人もそうではないだろうか。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。本当にありがとうございました。
ちなみに、TARAKOさんが『ちびまる子ちゃん』に出演される最後のエピソード「まる子、水の味がわかる?」の巻は、3月24日(日)の放送予定となっている。