アニメ『ちびまる子ちゃん』で34年以上にわたって主人公・まる子(さくらももこ)の声を務めた声優のTARAKOさんが4日未明に亡くなったことが、9日、フジテレビ並びに日本アニメーションから発表された。SNS上では、その早すぎる別れに驚きと追悼の声が続々と寄せられている。
TARAKOさんは声優としてはもとより、シンガーソングライターやナレーションなど、数多くのフィールドで活躍するマルチな方でもあった。今回はまる子役をはじめ、TARAKOさんがこれまで演じてきた数々のキャラクターを振り返りたい。
■芸名“TARAKO”は、実はあのキャラから…
まずは、その唯一無二の芸名である“TARAKO”の由来から紹介したい。学生時代『サザエさん』のタラちゃんの声に似ていたことで友人から「タラコ」とニックネームを付けられ、それを芸名に使ったという。
その友人のセンスも素晴らしいが、TARAKOさんはデビュー前から非常に特徴的な声の持ち主だったことがうかがえる。
そして、1981年にアニメ『うる星やつら』の幼稚園児役で声優デビュー。『ルパン三世 PARTIII』や『めぞん一刻』など有名作品に出演し、声優としてのキャリアを積み上げていった。
■『ちびまる子ちゃん』“まる子”という運命的な役との出会い
デビューから9年目の1990年、TARAKOさんはアニメ『ちびまる子ちゃん』の声優オーディションで、見事主役のまる子役に大抜擢される。その後、『ちびまる子ちゃん』の放送は1500回(2022年時点)を超え、言わずと知れた国民的アニメとなった。
こんな逸話がある。TARAKOさんは台本は収録のテストで初めて読み、そのまま本番という流れでおこなっていたそうだ。ご本人曰く、自分が“つくって”くることを避けるためだったというが、それにしてもいきなりアフレコをおこなっていたこと自体に驚いてしまう。
しかし「まる子だったらたぶんこのへんで言い終わるなってわかるんですよ、30年やってると。」と、TARAKOさんはインタビューで語っていた。もはや、まる子とは一心同体のような感覚だったのかもしれない。