■未来の可能性を視野に入れた久保ミツロウさん
最後は、1996年のデビュー以来『モテキ』などの人気作品を生みだしてきた久保ミツロウさん。久保さんは『mimi』に掲載されたデビュー作『しあわせ5はん』(原作:美春羽里さん)をはじめ、活動初期は女性誌で連載を持っていて、名義も本名の「久保美津子」で活動していた。
その後、『週刊少年マガジン』で『3.3.7ビョーシ!!』を連載するにあたってペンネームを「久保ミツロウ」に変更。自画像も男性キャラに変えて男性誌での連載を持つようになる。しかし、2008年にスタートした『モテキ』の単行本のおまけ漫画内で、サラッと自身が女性であることを明かしている。
「久保ミツロウ」のペンネームについては、2012年に出演した『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で、「少女漫画や少年漫画だけを描いていくのは難しいので、いつかエロ漫画を描くことも視野に入れてミツロウにした」と明かしていた。
テレビ出演は断っていたが、タモリさんに会いたいという想いから承諾したという久保さん。初出演ながら軽快なトークで場を盛り上げたことで注目が集まり、2013年には『久保ヒャダこじらせナイト』(フジテレビ系)という自身の冠番組を持つほどの人気になる。
どの漫画家も、ペンネームが生まれた背景には様々な物語がある。こうして由来を見ていると、作品からは見ることができない、彼らの意外な一面が見られた気がしてちょっと嬉しい気持ちになってしまう。