■早すぎた無線化「マルチボックス」

 今でこそゲームのコントローラーは無線が当たり前になっているが、当時はテレビにコードやらケーブルやらを接続させなければならなかった。そのため掃除機をかけにきた母親や横断する猫によってコードが引っかかってしまい、それによってゲームがフリーズするというのもファミコン時代のあるあるだ。

 そのトラブルを解消すべく、ファミコンの無線化を実現したのが、1987年に発売された「マルチボックス」なる周辺機器。マルチボックスをファミコン本体の横側に接続することで、ゲームの映像がワイヤレスでテレビに送信されるというシステム。まさに夢のようなアイテムで、箱には「7m以上離れた所からでの、プレイが可能」ともあるが、アンテナの微調整がとにかく難しい。画面のざらつき、砂嵐がひどく、安定性に欠けていたものだったようで、それが普及しなかった原因かもしれない。

■赤青メガネはファミコンでも採用「とびだせメガネ」

 最後に紹介するのは、1987年のスクウェア(現スクウェア・エニックス)のゲーム『とびだせ大作戦』で使用できる、別売りの赤青メガネ「とびだせめがね」。

 同作は、画面奥に向かっていく3Dシューティングゲームだが、このメガネをかけることで、ゲーム内のキャラクターや障害物が立体的に浮かび上がり、プレイヤーが奥行きのある世界を体験することができるというものだ。

 ちなみに、『とびだせ大作戦』の音楽を担当したのは、『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽を担当した植松伸夫氏だった。

 以上、ファミコン時代の周辺機器を振り返ったが、いずれも機能を想像してワクワクするものばかり。いくつかのアイテムは、より使いやすく、より便利になり、現代のゲームにも採用されているものがあるが、こうした過去のアイテムが新たな発想に繋がっていたのは言うまでもないだろう。

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