■先生と生徒の禁断の恋!二人のその後をスピンオフで描いた『先生!』
河原和音さんの『先生!』は、1996年から『別冊マーガレット』で連載がスタートした人気作品だ。
恋のトラウマを持つ教師・伊藤貢作と恋愛未経験の女子高生・島田響とのピュアで切ない恋を繊細に描いた同作は多くの女子のハートを掴み、2017年には生田斗真さん、広瀬すずさん主演で実写映画化もされている。
漫画はコミックス最終巻で響が受験シーズンに突入し、受験終了から高校を卒業するところまで描かれている。ついに“教師と生徒”という枠組みから解放され、対等で自由な恋人関係へと発展していく二人の姿には感動を覚えたものだ。
そして、実写映画化を記念して河原さん自らが描いた読切のスピンオフが『別冊マーガレット』2017年11月号で発表された。
内容は、卒業後の響と伊藤の日常を描くもの。「生徒とつきあうようなエロ教師の言うことなんか聞きたくないし!!」と教え子に言われたとぼやく伊藤と、それに対し言葉を返す響。わずか2ページのスピンオフだが、頭をポンポンして見つめ合う様子からも二人が変わらず愛し合っていることが伝わる。暖かい気持ちになる“その後”の姿だった。
■つくしとF4も再登場した『花のち晴れ〜花男Next Season〜』
最後は、発行部数累計6100万部超えのモンスターヒット記録を持つ神尾葉子さんの代表作『花より男子』。漫画のラストで描かれていたのは、高校卒業後アメリカに行くことになった道明寺司が牧野つくしにプロポーズし、未来を約束しあうところまでだった。
そして2015年、F4卒業の2年後を描いた続編『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』が『少年ジャンプ+』で始まった。物語は前作同様、学園のスター軍団と庶民の女子の恋愛を描いているが、今回は「F4」が「C5」になっている。
『花晴れ』ではF4が一人ずつ登場し、主人公の神楽木晴らと関わっていく。たとえば、花沢類は定番スポットだった非常階段で晴と出会った。卒業後も英徳学園にリラックスしにくるなんて、彼らしいといえば彼らしい。西門総二郎は晴の弓道練習中に登場し、指南役になっている。
卒業後、大学生活と道明寺家での修業をこなしていたつくしは、ロスの海で晴らと出会う形で登場。そしてそこから、晴カップルと親しくなっていく。美作あきらは、空港で西門と一緒にちらりと出演した。
最もインパクトが強いのは、道明寺も登場する最終巻だ。ここでは、つくしのアメリカ行きを見送る晴らと、つくしに会うために道明寺を呼び出したF4が全員集合。空港に向かって走りながら「集まるのいつぶりだっけ」と話すF4の姿、再会を果たし抱き合う道明寺&つくしにテンションが上がった読者は多いだろう。
新たな登場人物たちと、あの頃我々が夢中になった登場人物たちの絡みを見ると、懐かしさと新鮮さが入り混じった言葉にできない感情がこみ上げてくる。今回紹介した続編やスピンオフは、90年代に少女漫画に夢中になっていた読者も同窓会気分で楽しめるはずだ。