■『なかよし』も負けていない! 大人気作品がリメイクされて登場

 1986年は、『なかよし』に掲載されている作品も凄かった。

 まずは美少女・美青年キャラクターで多くの読者を魅了した、あさぎり夕さんの『なな色マジック』だ。本作はおてんばな女子中学生の菜々子が一樹と出会い、反発しながらも惹かれあう姿を描く。“あんたのことなんて嫌いよ”と言いつつ、一樹のことが気になる菜々子の姿は、まさに昭和少女漫画の王道ラブストーリーだ。

 また、ほのぼのとしたキャラクターが数々のグッズにもなった、あべゆりこさんの『わんころべえ』も連載されていた。本作は『なかよし』を代表する4コマ漫画として、約50年に渡って読者を楽しませている。

 そしてテレビアニメ化によりさらに話題となったのが、竹本泉さんによってリメイクされた『あんみつ姫』である。もともと倉金章介さんの作品である『あんみつ姫』は、1950年代光文社の雑誌『少女』にて連載された作品だ。

 86年に『なかよし』で掲載されたリメイク作品と、同時期に放送されたテレビアニメは瞬く間に少女たちの間で人気となった。本作は時代劇でありながら現代の道具や文化も登場するなど、新たな世界観を生み出した作品としても有名である。

 

 1986年に『りぼん』と『なかよし』で掲載されていた漫画は、今でも知名度の高い人気作品ばかりだ。これらの作品が誕生した1986年は世の中に活気があり、漫画の世界でも次々に斬新なアイデアが生まれていたと言えるだろう。

 おりしも現代の株式市場は高騰し、バブル期の86年に似た雰囲気もある。ぜひ現代でも、後世に残るような漫画作品の誕生に期待したい。

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