■キレたら怖い! メーテルがガチギレした瞬間とは?

 普段はクールで落ち着いている雰囲気のあるメーテルだが、怒ったときのメーテルは迫力がある。4巻第4話の「二重惑星のラーラ」で「完全機械化」という星に降り立った鉄郎とメーテル。

 そこでラーラと言う女医に拉致され、鉄郎はラーラと体を入れ替えられてしまう。しかもモグリの医者と共謀して999号に乗ろうとする計画を知ったメーテルは激怒し、「私はこの星が心の底からきらいになったわ」「こんな星などほろびてしまうがいい!!」「心をもてあそぶものを私はゆるさない!!」そう言って、いきなりモグリ医者の胸ぐらを掴んで脅し、手術をさせる。そして鉄郎は無事に体を取り戻すのであった。

 また7巻第4話の「嵐が丘のキラ」では、嵐が吹き荒れる星「嵐が丘」に降りた鉄郎がパスを盗まれてしまう。

 鉄郎のパスを盗んだ老人はそのまま999号に乗ってしまい、規則上鉄郎は列車に乗ることができない。困惑する車掌に対しメーテルは“車掌さん!! 5分だけ見のがして”、“どうしようもないことは分かっています。でも、5分間目をつぶって!!”と冷たい目で凄み、車掌を言いなりにさせた。

 この時の車掌は“キョーハクされたみたい”と怯え、「ふ〜っ、あんな恐ろしいメーテルさまの目をみたのは初めてです……」とたじろいでいる。普段はミステリアスな美しさが光るメーテルだが、怒ったときの迫力はすごい。どのような相手でも、身がすくんでしまうのだろう。

 

 普段はクールで謎めいた美しさを持つメーテルだが、紹介したように実に人間らしい一面も併せ持っている。メーテルに惹かれる読者が多いのは、そんな情味のある姿にも魅力を感じるからだろう。

 このほかにも『銀河鉄道999』には、入浴を楽しむ色っぽいメーテルや、敵と対峙するカッコいいメーテルのシーンがたくさん登場する。永遠のマドンナであるメーテルのいろいろな姿を、ぜひこの名作を読んで確認してほしい。

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