“永遠の美女”だけど実は天然? 『銀河鉄道999』メーテルのちょっと意外なシーンの画像
『さよなら銀河鉄道999-アンドロメダ終着駅』4Kリマスター版(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)

 松本零士さんの『銀河鉄道999』の魅力はたくさんあるが、なかでも多くの読者を魅了したのが永遠のマドンナ・メーテルである。メーテルは母を亡くした少年・星野鉄郎を慰めつつ銀河超特急999号の旅へと連れ立つ謎多き美女だ。

 メーテルはミステリアスなうえにスキがなく、次々に登場する敵とも戦う“完璧な美女”、というイメージがある。しかし物語の途中には“メーテルって実はちょっと天然では?”と思わせてくれるような、ちょっとお茶目なシーンもあるのだ。そこで今回は『銀河鉄道999』に登場する、メーテルの意外なシーンを紹介したい。

■哲郎だけじゃない! 昼寝やお酒を飲んでウトウトする間にパスを盗まれるメーテル

『銀河鉄道999』には、無期限定期である“パス”を盗まれるシーンがとても多い。それはおっちょこちょいの鉄郎だけでなく、メーテルも同じだ。

 コミックス1巻第10話の「大四畳半惑星の幻想」で、2人は「明日の星」という地球に似た星に降り立つ。地球ではもう食べられないラーメンをお腹いっぱい食べた2人は、満足して原っぱに寝そべり、そのまま昼寝をしてしまう。しかし眠っている間にパスを盗まれ、起きたメーテルは「パスを盗まれたのよ、定期を……ねてるあいだに! お金といっしょに!!”と、焦る様子を見せている。

 また4巻3話の「サケザン大陸」では、2人はサルからもらった美味しいお酒を楽しむ。しかし敵である「サケザン」という大男が投げたこん棒のような物が命中し、気を失っている間に誘拐されてしまうのだ。

 このように、お腹いっぱいになって昼寝をしたり、美味しいお酒を飲んで油断している間に誘拐されたりと、なんとも人間らしいメーテル。清楚な美女であっても、やはり美味しいお酒や食べ物の誘惑には勝てない一面もあるのかもしれない?

■ギターを弾きゲームも楽しむメーテル、偽物の鉄郎が分からない天然っぷりも!?

 普段から冷静沈着といったイメージのあるメーテルだが、旅の途中、娯楽を楽しむ様子も見せている。

 7巻第1話の「C62の反乱」では、信号待ちにより汽車が一向に動かない。あり余る時間を楽しく過ごすため、鉄郎とメーテル、車掌の3人は通路に本を並べ小石のようなものを投げ、誰がどのくらい本を倒せるかというゲームに興じる。

 ちなみにこのゲームでは鉄郎が38点、メーテルが36点、車掌が3点という結果になった。そして、その後のコマではメーテルがギターを片手に車掌がタンゴ?を踊る様子が描かれている。踊る車掌を見ながらギターを奏でるメーテルはなんだか楽しそうだ。

 そして8巻第3話に登場する「鏡の星の鉄郎」では、メーテルが鉄郎にそっくりの砂山学という少年に出会う。すっかり鉄郎と信じ込んでしまったメーテルは、学と宿泊先のホテルに向かい、お風呂に入らせつつ「泥だらけで…いやね、髪まで泥で茶色よ」「ずいぶん言葉が乱暴になったわね~」と、どこか違和感を感じつつ鉄郎だと信じて疑わない。

 最終的に本物の鉄郎が登場して他人だと知るのだが、しっかり者のメーテルが鉄郎と他人の区別が付かないのもなんだかユニークである。

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