■防御用と割り切る方が強いかも?「ビーム・トンファー」
最後に『機動戦士ガンダムUC』より、ユニコーンガンダムに搭載された「ビーム・トンファー」を紹介しよう。
ユニコーンガンダムにはバックパックに2本、両前腕部のホルダーに1本ずつ計4本のビーム・サーベルが搭載されており、通常はこれを引き抜いて使用する。強いニュータイプ能力を持つ存在を感知してその姿を変える“NT-D”が発動すると、ホルダーに収めたまま展開できるビーム・トンファーが使用可能となるのだ。
回転可能なホルダーを利用し手の甲に沿わせるように展開することで前方に射程を伸ばすか、腕に沿わせてまさしくトンファーの要領で扱うかなど、状況に応じて使い分けることが可能。
また、トンファーを展開した状態で残る2本のサーベルを手持ちで使用すれば、格闘戦においての隙を減らすこともできるほか、射撃武器からの持ち替え動作を短縮できるなどメリットはさまざまである。
しかし、できることが増えれば考えることも増えるというもの。トンファーを展開した状態で振り回せば、誤って自機を損傷させてしまいそうだ。格闘における制圧力が高いからこそ、冷静な使い方が求められる武器ではないだろうか。もっとも、ユニコーンガンダム自体が常人には扱える機体ではないため、そうした懸念点も杞憂に過ぎないのかもしれないが……。
今回紹介した以外にも、『ガンダム』シリーズではさまざまなクセの強い近接武器が登場する。一見すると戦闘効率が悪く見えてしまう武器でも、それは敵を撃破するために考案されたれっきとした兵器であり、パイロットの使い方次第では真価を発揮できる可能性を十分に秘めている。
そうした武器を実際に使用することがない我々ガンダムファンからしてみれば、登場回数の少ないクセの強い武器にこそ、ロマンを感じてしまうのも事実だ。