ガンダム・ハンマーにチェーン・マインも…『ガンダム』シリーズに登場する“クセのある近接武器”の画像
バンダイのプラモデル『HG1/144 ケンプファー (機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争)』(C)創通・サンライズ

『ガンダム』シリーズには、MS(モビルスーツ)同士の白兵戦が繰り広げられるからこその独特な近接武器が多数登場する。なかには「それむしろ使いにくいのでは?」と、疑問に思ってしまうようなクセのある武器も存在する。

 今回は数ある近接武器の中から、使い方にクセがあるものをいくつか厳選して紹介していこうと思う。

■戦場に持ち込むメリットが見つからない…?「ガンダム・ハンマー」

 まずは『機動戦士ガンダム』より、誰もが知るガンダムが使用した「ガンダム・ハンマー」を紹介しよう。

 ガンダム・ハンマーは、柄から伸びた鎖の先に巨大な鉄球が付いた、いわゆる“モーニングスター”である。その鉄球はザクIIを一撃で撃破する威力があり、近接戦における間合いから見ても武器として強力であることは間違いない。

 しかし、『ガンダム』の世界で繰り広げられるのは、あくまでもMSという兵器同士の戦闘だ。鉄球を繋いでいる鎖はサーベルなどのビーム兵器で簡単に切断できてしまう。加えてその鉄球をくらうのは、生身の人間ではなく装甲に覆われた機械である。

 第26話では鉄球に加速用のバーニアを仕込んだ“ハイパー・ハンマー”が登場したが、パワーや重量で勝るゴッグに鉄球をあっさりとキャッチされてしまっている。鎖にはもちろんたわみがあるため、降り下ろした鉄球が敵に向かっていくまでの時間差を考えると、高機動のMSに鉄球を当てるのは至難の業である。使用したアムロ・レイも最終的には鉄球部分を持ち、シャア専用ザクに向かってドッジボールのように投げてしまっている。

 金属を加工するだけでとりあえずは武器になるため、コスト面だけで見れば重宝されるのかもしれないが、戦果を期待するのであれば進んで使用するのは避けたい武器である。

■ロマン溢れる0距離爆破!! 「チェーン・マイン」

 続いては、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』より、ケンプファーに搭載された「チェーン・マイン」を紹介したい。

 吸着地雷を直鎖状に連結させており、敵機に巻きつけて0距離で爆発させる独特な武器である。地雷は巻きつけた部分だけを切り離せる機構になっているため、必ずしもそのすべてが爆発するわけではない。

 しかし余った射程の短い地雷ではもちろん巻きつけることなどできず、言うなればただの手榴弾になってしまう。そのため基本的には使い捨ての武器であるうえに、使いどころも限られてしまう、なんともクセの強い武器なのである。

 作中ではガンダムNT-1に巻きつけ起動させることには成功したが、追加装甲であるチョバム・アーマーの破壊のみに留まってしまった。

 近接爆破武器であるチェーン・マインはある意味男気を感じるロマン武器ではあるが、命を賭ける戦場において使うのは少々難しいかもしれない。

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