「トトロの叫び声に意味が?」スタジオジブリ『となりのトトロ』知ると嬉しくなる「意外なトリビア」の画像
© 1988 Studio Ghibli

 1988年に公開された宮崎駿監督の長編アニメーション『となりのトトロ』。昭和30年ごろの日本を舞台に、サツキとメイの姉妹と未知の生物「トトロ」との触れ合いを描いた日本を代表するファンタジー大作だ。

 スタジオジブリの作品は、物語やキャラの設定がとてもきめ細かで丁寧だ。『となりのトトロ』も例外ではなく、様々なところに小ネタが仕掛けられていたり意外なトリビアがあったりする。そこで今回は、『となりのトトロ』のトリビアや小ネタをいくつか紹介していこう。

■トトロの叫びには意味があった

 まずは、劇中に登場した3種類のトトロについて。本編では採用されていないが、アートブック『THE ART OF となりのトトロ』の中で、初期構想時に名前や年齢があったことが判明している。それによると、大トトロは「ミミンズク」という名前で年齢は1302歳。中トトロは679歳の「ズク」で、小トトロは109歳の「ミン」という設定なのだとか。

 また、絵コンテの段階で、大トトロの表情や吠え声には意味がこめられていたことが明かされている。たとえば、メイが初めてトトロに出会った際に「あなたはだあれ?」と聞くシーンがあり、ここでトトロが「ヴォロロ」と叫んでいるが、これは「ネムイヨー」と言っているのだそう。

 まねして吠えたメイに対して小さな声で言った「ドゥオドゥオヴォロロ」は、メイがなぜ叫んだのか分からず、「あんたもネムイの?」と聞いているらしい。なんともかわいらしいやり取りだ。

 そして、メイが迷子になったっことで不安で泣いてしまったサツキを見てのトトロの叫び。その後、メイ探しをしていることから「助けてあげる」と言っていると思いきや、「かわいいー」と叫んでいたのだとか。確かにあのときトトロは頬を赤らめていたが、予想外の感情に笑ってしまう。

■ネコバスの行き先の秘密

 2024年3月から愛知県・長久手市の「ジブリパーク」にて、実際の運行が開始される「ネコバス」。

 実際にその乗り心地を夢見てしまうが、宮崎監督は、ロマンアルバム『となりのトトロ』内で、ネコバスの正体を「化け猫」と明かしている。バスになっているのは「バスを見て気に入ったから」という至ってシンプルな理由。ちなみに、バスの前はカゴ屋に化けていたそうだ。

 ネコバスは、昭和時代のバスのように「行き先」を回転させながら変えるが、劇中では「塚森→長沢→三つ塚→墓道→大杜→牛沼」と変化している。その後、メイ探しを手伝うときには「めい」となり、病院にいく場面では「七国山病院」になった。

 実はこの「七国山病院」、よく見ると「院」の字が上下左右が反転し、グチャグチャになっている。これに関しては公式で裏設定などは明かされていないものの、よく見ると、「院」にくっついているネズミが逆さまになった字を見て「あれ?」と覗き込んでいる。この流れから見るに、普段行かない場所を表示して漢字を間違えたと推測されるが、制作陣の細かい遊び心が詰まっているようで、ワクワクしてしまうシーンだ。

 ラストシーンでメイたちと別れる際の行き先は「す」。二人を送り届け、これから「巣」に帰るということを示している。

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