岸本斉史氏による『NARUTO-ナルト-』は、原作漫画もアニメも国内外を問わず愛されている人気シリーズだ。2023年9月にアニメ放送20周年を記念した完全新作エピソードの放送が予定されていたが、延期が発表され、待ちきれない気持ちでいるファンも多いことだろう。
本作はただのバトル漫画ではなく、いろんな出会いや別れが描かれているからこそストーリーの深みが増していく。主人公のナルトもサスケと出会ったことで、お互いに成長しながら心を通わせていったのだ。
そしてそれはナルトだけでなく、他のキャラの多くに当てはまることでもある。そこで今回は、『NARUTO』で描かれた思い出すとぐっとくる出会いのエピソードを紹介したい。
■いのとサクラ
まずはいのとサクラの出会いから。このふたりの関係は、いじめられっ子だったサクラをいのが助けたことから始まる。長い前髪で顔を隠していたサクラに、いのは「サクラは 顔 かわいいんだから堂々としてればいいのー!!」と言って、髪を上げるためのリボンをプレゼントするのだ。
いのは昔から自信に満ちて堂々としていたので、サクラはそんないのに憧れていた。一方のいのは、自信を持つことができないサクラを花のつぼみにたとえて、どんな「キレーな花」を咲かせるか分からない存在だと励ます。
サクラはそこから今のような強気で諦めない性格に変わることができたので、いのの影響はかなり大きい。昔のサクラが弱気でウジウジしてばかりだったのも驚きだが……。
その後いのとサクラは良きライバル関係となり、サスケを取り合っているから面白い。結果的にはサクラがサスケと結婚することになるが、いのもサイと結婚できたので、ふたりとも幸せになれたことは嬉しく思ってしまった。
サクラはいのと出会えていなかったら、きっと立派な忍にはなれていなかったに違いない。
■リーとガイ
次は、リーとガイの出会いを紹介していきたい。このふたりは忍の中でも体術のスペシャリストであり、性格も雰囲気もそっくりでまるで親子?と勘違いしてしまうほど。しかしふたりは親族ではなく、師弟の関係である。ガイはリーのことがずっと気になっていて、彼が忍者アカデミーに入ったばかりの頃からひそかに見守っていた。
下忍になってから、リーはネジという天才忍者を前に劣等感から絶望してしまったことがある。……必死に努力で乗り越えようするも、上手く行かずに歯がゆい気持ちでいっぱいだった。
そんな姿を見守っていたガイは、リーはネジを超える可能性を秘めていると話し、「努力の天才だ」と彼を称える。しかしこれに対してリーは、いくら努力しても自分は強くなれないのではないかという不安を抱えていることを打ち明けた。
そこでガイに「自分を信じない奴なんかに 努力する価値はない!!!」と真剣な面持ちで言われ、リーはようやく目覚めることに。そこからふたりの師弟関係は確固たるものとなり、リーは劇的に自らの能力を開花させていく。
あそこでリーが同じような気持ちを持つガイと出会わなければ、きっと芽を出さずに潰れてしまっただろう。それだけ、リーにとってガイの存在は大きいものなのだ。