2月22日は、猫の鳴き声「にゃん・にゃん・にゃん」の語呂合わせで「猫の日」に制定されている。
SNSをよく使う人たちの中で、今最も印象に残っている「猫」といえば、Xやショート動画で2024年1月ごろから急激に流行り始めた「猫ミーム」だろう。
現在流行している猫ミームとは、素材となる猫の動画を使い、登場人物を猫に置き換え、投稿者自身の日常のエピソードを再現したショート動画のこと。
悲しそうに責められている顔の猫や、「ハァ?」と口を開ける猫、ダンスする猫など印象的な素材が多く、「チピチピチャパチャパ」「ハッピーハッピーハッピー」など、使われているBGMのフレーズも頭に残る。
個人の作ったさまざま動画がネットの海に解き放たれ笑いを誘っているが、そもそも「猫ミーム」とは今回流行しているもののみを指す言葉ではない。猫に関係するインターネットミーム全体を指している。
今回は、これまでにネットで流行ったさまざまな猫たちを振り返りたい。
■ネットとの親和性が高い「猫」たち
まずは、2003年に大流行したモルドバ出身のアーティスト・O-Zoneによる楽曲『Dragostea din tei』。日本では『DiscO-Zone~恋のマイアヒ~』というタイトルでリリースされた。
このルーマニア語で歌われる曲を、空耳で「のまのまイェイ」と訳した歌詞が、当時の2ちゃんねるで親しまれていた「モナー」という猫のアスキーアートとともに描かれたのだ。これで人気に火が付き、あまりの反響に『恋のマイアヒ』は『ミュージックステーション』でも披露されるなど、空前のヒットとなった。
続いては、2013年ごろから世に出回り、現在も使われている「宇宙猫」。宇宙の画像を背景にし、キョトンと目を丸くした猫の画像を合成したものを指す。
使い方としては、想像もしないような意外なことを言われたときや、理解不能なときにこの画像を貼る。
日本発のものかと思われがちだが、海外では日本で流行する前から「SpaceCat(スペースキャット)」という愛称で親しまれており、日本でも「スペキャ顔」という使い方をする。猫とインターネットの相性の良さは全世界共通のようだ。
2018年ごろからは「現場猫」が流行し、これはXなどで現在でも多用されている猫ミーム。ヘルメットをかぶった猫が「ヨシ!」というセリフをいいながら指差し確認をするイラストが元ネタで、特に問題がありそうな(全然「ヨシ!」ではない)シチュエーションに向かってこの猫のイラストが使われる。
この現場猫はもともと、イラストレーターのくまみね氏のイラストが発祥で、その後「仕事猫」と名前を変えて正式にキャラクター化された。現在では公式グッズも買えるという、ミームからキャラクター化した稀有な例だ。
このほかにも、SNSに投稿された作者自身の飼い猫のエッセイ漫画が人気となって書籍化されたり、猫のキャラクターがネットで大バズリしたりすることは多い。
そして、ネットの世界では、犬よりもなぜか猫がネタとして多く上がるようである。それは猫の予測不可能で自由で、何より見ているだけで笑えて癒される様子がネットの住人たちと相性がいいからかもしれない。今年の「猫の日」は身近な猫を愛でつつ、インターネットを支えてきた猫キャラたちにも目を向けてみてはいかがだろうか。